2019年10月15日

台風19号 収集運搬に今後影響 水没スクラップ発生増か

前週末に日本列島を襲った台風19号によって、各地で甚大な被害が起こっている。幸いなことに関東地区の銅スクラップ問屋各社ではヤード自体の被害が少なかったところが多かった。ただ、その一方で、高速道路が複数通行止めとなっているところがあるため、スクラップの納入・引き取りなどの運送業務で今後影響が生じるかもしれない。

関東の複数の銅スクラップ問屋に弊社記者が問い合わせたところ、「被害がなかった」ところがほとんどだった。台風15号で被災した千葉の問屋も「今回は被害が少なかった。ヤード正門のチェーンが強風で外れていたが、停電しなかったためセンサーは切れずにセキュリティは大丈夫だった」との声が聞かれた。

ただ、収集運搬などには影響がでそう。上信越自動車道・松井田妙義インターチェンジ(IC)~佐久IC間の上下線、中央自動車道・八王子ジャンクション(JCT)~大月IC間の上下線などは、台風の被害によって通行止めとなっている。そのため、その区間においては一般道経由で迂回しなければならず、道路混雑なども含め、運搬に通常の倍近く時間がかかる可能性がある。黄銅棒などを生産しているキッツメタルワークスの本社工場(長野県茅野市)に黄銅削り粉などのスクラップ原料を納めているある関東の問屋は、「今の所、中央自動車道の通行止めのところを迂回すれば、時間はかかるがなんとか納品はできそうだ」と話す。

ほかに、関東地方に限らず全国各地で工場などが水没被害を受けているところがあり、「台風被害によって製品が出荷できない状態となったものが、今後スクラップとして発生が増える可能性はあると思う。その際、道路状況によっては、引き取りに向かう際にも影響がでそうだ」(都内の直納問屋)との意見も寄せられた。

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