三井金属の子会社、三池製錬で、酸化亜鉛を製造する化成品工場(福岡県大牟田市大字唐船)が操業を止めている。熊本地震の発生後、設備点検で精留塔に損傷が見つかった。酸化亜鉛はタイヤ用ゴムの加硫促進助剤などに使われる。三池製錬は国内首位となる月1350トンの生産能力を有する。再開可能時期を精査中で「早期復帰を目指す」(三井金属の広報担当者)。精留塔は亜鉛からカドミウム、鉛を分離する装置。
同じく酸化亜鉛大手の東邦亜鉛は「需要家から(増量要請の)問い合わせは来ており、対応を検討している段階」(広報担当者)と説明する。小名浜製錬所(福島県いわき市)で酸化亜鉛を製造する。
三池製錬の工場のうち、製鋼煙灰などの産業廃棄物から亜鉛中間原料をリサイクル製錬する溶錬工場(大牟田市新開町)は操業中。ただ、産廃受け入れへの地震の影響は不透明で、交通網や取引先の復旧を注視している。