2003年06月11日
関東地区でH形鋼を扱う流通は、6月から唱えを1000円上げてベース4万7000円下限販売をめざすと共に、別途持ち込み運賃の確保も求めていく。扱いの小口化、多品種化による業務の煩雑化でコストが上昇し、採算割れが著しいため。秋口から始まる、車両の重量規制もにらむ。需要の低迷が続き、市況に不透明感が漂う中、鋼材価格とは別途に当面、トン2000円の持ち込み運賃の確保をめざす。

鉄鋼業界をはじめとする産業界は、水生生物保全の観点から新たな水質基準を設定しようとしている環境省案に対し、「人の健康リスクによる規制以上に、何を保全するための規制か」との意見をとりまとめ、近く、多数のバプリックコメントとして環境省に提出する模様。

 関連業界はこの問題に関する環境省案を「拙速」と位置付けながら、(1)水生生物の減少による人類の影響について、科学的データに基づき証明する(2)規制の程度や国民負担に関しては、産業界を含めた議論を行い、国民レベルのコンセンサスに努めるべき―などの手続きを踏む必要があると指摘している。

韓国のPOSCOは、造船用厚板の国内販売価格引き上げを決めた。今月16日受注分よりリストプライスをトン2万ウォン引き上げ40万ウォンとする。

関東特殊製鋼(カントク)は、精密鋳造事業をジューキ会津プレシジョン(本社=福島県耶麻郡、土生津利勝社長)、子会社のカントクテクノス(本社=神奈川県藤沢市、井上純社長)が手がけるプラント事業を山九にそれぞれ譲渡することで、5月26日に契約を締結した。精鋳事業は2004年6月、プラント事業は本年7月に譲渡する予定。譲渡額は明らかになっていない。事業再構築計画によるスリム化の一環で、カントクの圧延用ロールと形状記憶合金を主体とした新機材への特化がさらに加速することとなった。

ベース小棒の関東大手、合同製鉄・船橋製造所は緊急減産に臨み、月内に3日間程度、炉休を実施する。低調な新規引き合いに合わせ、生産を絞り込む。また、7―9月は定期炉修を行い、7月31日から圧延で12日間、製鋼で8日間操業を休止する。圧延は例年より5日間ほど休止期間が長く、7―9月の生産量は前年同期比10%減少する見込み。需要次第ではさらに操業を休止する可能性もあり、需給調整をテコに販価改善を推し進める。