2003年05月09日
神戸製鋼所は、表面処理鋼板のクロムフリー化を加速する。電気亜鉛めっき鋼板(EG)全体に占めるクロムフリー化比率が、現状の50―60%からさらに上昇し、本年度中にも70%に達する見通し。また、最新開発商品の放熱性鋼板「コーベホーネツ」では、既受注分が本年度上半期までにすべてクロムフリータイプとなる。クロムフリー鋼板は電機分野を中心に高いニーズがあり、神鋼はこうしたニーズへの対応を含めて、環境対応型製品の拡充を図る方針。

関東鉄源協同組合(理事長=渡辺淳・丸和商事社長)はきょう9日、1万5000―2万トンをメドに6月積みの鉄スクラップ輸出入札を行う。前回の5月積み入札は、平均落札価格が4月積み比2639円安の1万4381円と大幅に値下がり、輸出、国内市況は急落した。今回、国際相場はさらに下押しており、昨年12月来の1万3000円割れが目前に迫る。

新日本製鉄は君津製鉄所(中村皓一所長)の第4高炉の改修工事を完了、8日に「火入れ」を行い、稼働を再開した。

 投資額は240億円。炉容積は改修前の5151立方メートルから5555立方メートルに拡大し、現時点では炉容積で世界最大。出銑量を増やし、スクラップ使用量を引き下げることでコスト削減を実現。さらに炉体冷却方式の変更など最先端の技術を駆使することで、省エネルギー化、長寿命化を図った。炉命は高稼働状態で25年を目標とする。

JFEスチールは、軸受鋼の生産が堅調に推移し熱処理能力が不足しているため、年末に西日本製鉄所・倉敷地区で焼鈍炉を1基増設する。投資額は約4億円。倉敷地区では軸受鋼など特殊鋼棒鋼を月間2万5000トン生産しているが、軸受鋼の生産がアジア向け輸出などで堅調に推移し、現行の熱処理能力(月間1700トン)でフル生産が続いているため、焼鈍炉の増設を決定した。



カジノ鋼業(本社=大阪府大東市、西廼敬一社長)は本社工場の金属印刷設備を御領工場(大東市御領)への集約作業を進めていたが、このほど、一連の作業を完了した。今回の工場集約は金属印刷の品質強化、および加工・物流の効率化が狙い。今後、本社登記を御領工場に移すとともに、本社工場は売却し、借入金を軽減させる。