2002年10月11日
新日本製鉄は10日、「ときわ会」の9月末H形鋼全国流通在庫が前月比2・2%減と5カ月連続で減少して26万4400トンになったと発表した。これは、2000年4月に集計対象を変更して以来最低だった01年12月の26万8000トンを下回る、過去最低の水準。在庫の減少幅は、5月以降の5カ月間で5万7700トンに達した。出庫水準は依然低迷しているものの、引き受けカットを伴う減産継続で入庫量が抑制されたため。10月は稼働日数が前月比3―4日増えることから、出庫量は増加して、需給はタイト化すると新日鉄はみている。
新日鉄ソリューションズは10日、ファーストリテイリング(柳井正社長)の中国での店舗展開に、ITパートナーとして基幹系業務システムを構築、このほど稼働を開始したと発表した。システム導入では、流通などの基幹系業務パッケージソフトで高いシェアを持つ米・リテック社のプロダクト活用、新日鉄ソリューションズが業務設計から9カ月の短期間で構築を完了させた。フ社の中国本社主導型の商品管理を実現、中国での店舗間の業務運営を効率化できる。今後、新日鉄軟件(上海)有限公司を設立、フ社のサポート、ERP・PDMなど中国でのシステムインテグレーションビジネスを本格展開する。
三菱商事は、阪和工材(本社=大阪市、中谷忠夫社長)が持つ東南アジアのステンレスコイルセンターと販売会社を買収し、本日付で両社を合併して「MC・HANWA社」を設立する。投資額は約30億円。東南アジアでのステン事業拡大には、加工・販売拠点が不可欠であった三菱と、有利子負債圧縮のため、海外事業の売却を計画していた阪和の戦略が合致した。資産、従業員、商権を三菱が全て引き継ぐ。三菱は、東南アジアでステン鋼板の本格販売を開始することとなり、MC・HANWAを中心に流通網を構築して、輸出シェアの拡大をめざす。
NKKは10日、NKKガルバリウム鋼板(55%アルミ―亜鉛合金めっき鋼板)を使用した鉄骨造住宅用構造部材に関して、10月1日付で品確法に基づく国土交通大臣の特別認定を取得したと発表した。劣化対策等級の最高等級(等級3)を表示できる日本初の認定となる。

 今回取得した認定は、板厚0・8―3・2ミリの範囲。これによって、品確法に規定される住宅の性能評価・性能表示において、NKKガルバリウム鋼板を鉄骨造住宅の構造部材全般に適用し、劣化対策等級(等級3)を表示できる日本で初めての認定となる。
関東地区の線材加工メーカー各社は、今春に実施した製品値上げの積み残し分について、11月内をメドに完全浸透をめざす。4月にトン5000円の値上げを実施したが、需要不振の向かい風から現在6割方の浸透にとどまっている。とくに、ひも付き主体の鉄線と針金は上げ足が鈍く、採算は厳しい。価格是正を進めることで、収益を確保する。