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2024.12.4
2018年10月31日
東京製鉄 経営戦略を聞く 西本利一社長 熱延コイル 18年度生産 田原、120万トン計画
――まず2018年4―9月期決算をどのように評価しているか。
「4―9月期決算は期初計画に比べて、収益は上振れしたものの、鋼材出荷数量計画が未達となり、満足できるレベルとは言い難い。本来であれば前年同期比で増益になる可能性もあったが、鋼材出荷で不備が生じ、またコスト削減で詰め切れなかった部分があった」
――18年度上期で注力した点は。
「田原工場の操業安定化に取り組んだことが大きい。田原は熱延コイルの生産数量が拡大したものの、増産に対応するための出荷体制の構築が遅れたため、岡山工場から半製品であるスラブを輸送できず、期待していたレベルでの増産に至らなかった。田原には岸壁クレーンが3基あり、1基は原料用、1基は製品用、もう1基は原料と製品兼用になっている。生産増に対応するには兼用クレーンの稼動率を上げ、効率良く出荷作業を行う必要があるものの、上期は苦戦した。9月には出荷体制を構築することができたが、台風影響もあり、10月以降はスムーズに出荷することができている。岸壁クレーンは1基増設する計画で、19年6月には製品用が2基体制となり、田原の鋼板出荷数量は月間最大で12万トンまで引き上がる格好だ。また田原では製鋼工場のトンパワーをアップするため、全社横断組織を作り、中上正博・宇都宮工場長を責任者とし、田原の製鋼をテコ入れした結果、チャージ数は1日当たりの昼夜フル操業ベースで、従来の22から25に1割アップ。真空脱ガス設備を用いた操業では17から25まで上がっており、2―3割増えたことになる。田原の製鋼生産量は月間8―9万トン。10月は10万トンに少し届かないレベルにまで到達している。出荷が正常化したことなどで、田原工場の18年度生産量は製鋼が前年度比17万トン増の110万トン、熱延コイルは30万トン増の120万トンを計画している」
――宇都宮工場でも出荷ネックが生じた。
「建設現場の進捗遅れもあり、
「4―9月期決算は期初計画に比べて、収益は上振れしたものの、鋼材出荷数量計画が未達となり、満足できるレベルとは言い難い。本来であれば前年同期比で増益になる可能性もあったが、鋼材出荷で不備が生じ、またコスト削減で詰め切れなかった部分があった」
――18年度上期で注力した点は。
「田原工場の操業安定化に取り組んだことが大きい。田原は熱延コイルの生産数量が拡大したものの、増産に対応するための出荷体制の構築が遅れたため、岡山工場から半製品であるスラブを輸送できず、期待していたレベルでの増産に至らなかった。田原には岸壁クレーンが3基あり、1基は原料用、1基は製品用、もう1基は原料と製品兼用になっている。生産増に対応するには兼用クレーンの稼動率を上げ、効率良く出荷作業を行う必要があるものの、上期は苦戦した。9月には出荷体制を構築することができたが、台風影響もあり、10月以降はスムーズに出荷することができている。岸壁クレーンは1基増設する計画で、19年6月には製品用が2基体制となり、田原の鋼板出荷数量は月間最大で12万トンまで引き上がる格好だ。また田原では製鋼工場のトンパワーをアップするため、全社横断組織を作り、中上正博・宇都宮工場長を責任者とし、田原の製鋼をテコ入れした結果、チャージ数は1日当たりの昼夜フル操業ベースで、従来の22から25に1割アップ。真空脱ガス設備を用いた操業では17から25まで上がっており、2―3割増えたことになる。田原の製鋼生産量は月間8―9万トン。10月は10万トンに少し届かないレベルにまで到達している。出荷が正常化したことなどで、田原工場の18年度生産量は製鋼が前年度比17万トン増の110万トン、熱延コイルは30万トン増の120万トンを計画している」
――宇都宮工場でも出荷ネックが生じた。
「建設現場の進捗遅れもあり、
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