DNAメタル(大阪府東大阪市、前田茂樹社長)は、リチウム電池用電極製造において、炭素棒から銅板上に炭素被膜(カーボンナノチューブ)、アルミ板上にリチウム合金被膜を1工程で作成する技術を開発した。直接基材表面にパルス放電処理を行うことで電極材料を形成。通常は大きな装置を使って4工程あるリチウム電池用電極製造の工程を大幅に集約することで低コストかつ金属粉などの異物混入による事故を防ぐことができるとともに、電池機能の向上につながるという。同社では放電被膜装置を製品化し、自動車メーカーや電池メーカー等に向け販路拡充を図る。
リチウム電池用の電極製造は従来、電極材と溶剤を混入させるミキシング、溶剤の塗工、乾燥、塗工の厚みを一定にするローラーの4工程で、表裏面合わせて8工程を要する。新開発の方法では、DNA放電硬化装置を用いて、電極とする炭素から微細パルス放電を一定周波数で直接両面から被膜するのみで、工程を1工程にまで削減。従来の各工程で混入する鉄分などの異物は、発火の恐れや電池の耐久性、充電容量などに影響を及ぼす可能性があったが、その点もクリアできる。また、原材料コストは被膜材料の炭素棒とリチウム3元素のみで、大幅な低コストを実現できるほか、乾燥工程の省略により、エネルギーコストの低減にもつながる。