鉄鋼技術の産業発展、地球環境改善などの貢献に対する評価が高まり、新日鉄住金、JFEスチールなど鉄鋼メーカーに対する経済産業省など政府、大河内記念会や新技術開発財団など公益法人からの表彰が相次いでいる。自動車やエネルギー分野への開発製品供給による軽量化や安全性向上、高効率発電所の実現や資源掘削可能性の拡大。土木建設分野における鋼構造物のトータルコスト削減や環境負荷低減など、幅広い分野でのイノベーションに寄与。今後も各社による商品技術の開発、需要家との連携による共同開発、日本鉄鋼協会の活動、国家プロジェクトを通じた要素技術や革新的プロセス技術開発などの一層の技術発展が期待されている。8日に発表された文部科学大臣表彰では、新日鉄住金、JFEなどが「科学技術賞」を受賞した。
新日鉄住金は8日、「建材向け高耐食Zn―Al―Mg‐Siめっき鋼板(スーパーダイマ)の開発」と「熱延ミル冷却帯内鋼板温度計による高精度冷却制御技術の開発」が、ともに2013年度文部科学大臣表彰「科学技術賞(開発部門)」を受賞したと発表した。これは科学技術に関する開発、理解増進などで顕著な成果を収めたものの功績をたたえる賞。旧新日本製鉄、旧住友金属工業からさかのぼれば7年連続の受賞となり、また複数案件での受賞は10年度(旧住友金属)以来となる。
JFEスチールは8日、大阪大学と共同で開発した「施工性に優れたスプレー移行型炭酸ガスアーク溶接技術」が、2013年度文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)を受賞したと発表した。同賞の受賞は2年ぶり。表彰式は文科省で16日に行われる。