現代製鉄、東国製鋼などの韓国電炉メーカー7社の国内向け2月積み異形棒値上げ交渉は、不調に終わった。1月からの電力料金4・4%値上げ戸鉄スクラップ上げを理由にトン当たり4万7000ウォン(4180円)値上げでゼネコンと交渉していた。纏まらず政府委員が斡旋する形で、最終的な話し合いが進んでいたが、先週末までに合意できなかった。2月で20%強の減産が実施され、需給関係は悪くなかった。しかし不況色の強いゼネコンから押し切られた。
韓国の電炉メーカーは、異形棒生産7社が足並みを揃え2月からの4万7000ウォンの値上げを打ち出していた。年末段階の鉄スクラップ値上げと電力料金値上がり分の製品価格への転嫁を、目的としていた。これに対し、ゼネコンサイドは、1月の国内建設工事受注額が4兆3779億ウォンと前年同月比44・7%も減少していることを理由に、値上げ受け入れを拒否。逆に1万ウォンの値下げを要請していた。
数度の交渉で結論が出ず、政府委員による斡旋の形で話し合いがもたれた。しかし3月までの決着は先週末で合意できなかった。
一方、値上げのひとつの理由となっていたスクラップ上昇は、2月後半から逆に軟化に転じている。3月末までの3~4回の値下げでトン当たり4万ウォン前後下がっている。こうした状況から値上げは、難しくなった。
電炉製品のうち異形棒は、中国の生産量が年間1億5000万トンを超す水準になり、韓国市場には常に輸入圧力が掛かっている。ゼネコンも中国製品の輸入を材料に交渉に当たっている。韓国内の製品値上げは、こうした中国の状況を勘案したものになるのが実状で、4月にはいって予定されている再交渉も難航が予想される。