日本鉄鋼連盟が31日発表した12月の鉄鋼貿易実績によると、普通鋼鋼材輸出量は前年同月比3・8%減の212万1000トンで16カ月連続の減少となった。一昨年秋以降、内需が漸増傾向をたどる中、高炉の設備不調などが加わり、輸出抑制の姿勢が続いている。
海外市況は中国が下落傾向にあるものの、主力とする東南アジア向けではホットコイルが600ドル強の水準で落ち着いた展開にある。
主要品種別では熱延広幅帯鋼(ホットコイル)が10・1%減の96万6000トン、亜鉛めっき鋼板が8・7%減の22万5000トン、冷延広幅帯鋼が4・9%減の20万9000トン。一方、厚板は23・1%増の25万1000トンと2カ月連続で増加した。
全鉄鋼ベースの向け先別ではタイ、中国、台湾が増加する一方、韓国と米国が減少。特に韓国は14カ月連続が前年を下回っている。
2017暦年(1―12月)の普通鋼鋼材輸出量は前年比9・8%減の2448万トンで、2年連続の減少。品種的には鋼矢板、電気鋼板、溶鍛接鋼管が前年を上回ったものの、他は全て減少。中でも落ち込み幅の大きかったのが厚板の29・1%減、軌条の22・4%減、棒鋼の20・2%減など。厚板は新日鉄住金・大分製鉄所の厚板ミル火災が響いた。