2017年4月11日

普電工明賀会長、「コスト環境厳しく」

 普通鋼電炉工業会の明賀孝仁会長(合同製鉄社長)は10日、定例の記者会見を開き、「内需振興や保護主義貿易で米国の需要を押し上げ、新興国でも鉄鋼需要が伸びており、鉄スクラップ国際価格は強含みで推移するだろう。中国は秋の党大会まで内需が冷え込む可能性は低く、”冷却材”としての中国ビレット輸出はないとみるべき。エネルギー価格も上がり、普通鋼電炉メーカーでは製造コストが上昇し、主原料だけでなく、合金などの副原料も高騰している」と、コスト環境が厳しくなっていると指摘。その上で、「鉄筋用小棒の国内向け出荷は2月で59万トンとなり、1月に引き続き60万トン割れで、極めて低いレベル。一方、2月の小棒在庫は96%と、この1年で最も高い。事業環境の変化が激しく、予測が難しい中、需要見合いの生産を継続することが重要。年後半に内需増が期待できるものの、足元のコスト環境は厳しく、事業継続のために慎重な受注生産活動が望まれる」と呼び掛けた。

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