2016年8月19日

銅製錬遺跡・宮前鉱山跡 江戸時代中期に50年操業と確認 兵庫県教委

 兵庫県教育委員会は17日、兵庫県まちづくり技術センターに委託して発掘調査を行っている銅製錬遺跡・宮前鉱山跡(多可郡多可町加美区多田)について調査結果を発表した。製錬炉とみられる石組みや石敷きが見つかったほか、鉱石が溶けて固まった「カラミ」や陶磁器の破片が多く出土し、これらの出土品から操業期間が江戸時代中期から約50年間だったと判明した。

 調査は、傾斜地に段状に作られた平坦地を1200平方メートルにわたって行い、製錬炉の下部構造とみられる石組みや、防湿を目的とする石敷きを確認した。規模に大小があることから、製錬工程が単一ではなく複数に分けられていたと推測される。

 周辺からは、肥前系の陶磁器の碗や丹波焼すり鉢の破片、土師器皿や炮烙(ほうらく)のほか、銅銭(寛永通宝)やキセルといった金属製品が多数出土。これらの遺物の年代が、18世紀の第2四半期から第3四半期に限定されることから、宮前鉱山の銅採掘・製錬が開始される享保12(1727)年とも合致し、その後、50年間操業したことが判明した。

 今週末20日午後1時30分から午後2時30分まで現地説明会を開催する(TEL0795―30―7706)。

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