2016年2月1日

日新製鋼、呉第2高炉を休止

日新製鋼は1日、事業構造改革方針を発表した。その中でコア製品戦略強化に向けた投資に関して、2019年度末までに呉製鉄所・第1高炉を拡大改修し、その後第2高炉を休止することを決定した。コア製品の再定義、呉製鉄所の高付加価値化とともに構造改革、戦略強化を進める。

12年10月の旧日新製鋼と日本金属工業との経営統合以降、ステンレス分野の上工程投資やステンレス鋼管事業再編に加えて、特殊鋼・特殊めっき事業の海外展開、塗装建材事業の再編などコア製品戦略強化につながる施策を推進してきた。

グループのコア製品について、顧客における付加価値の飛躍的創出と同社キャッシュフローへの貢献を両立する製品と再定義。研究開発を含めたコア製品創出投資の拡大や製品群の再構築によるコア製品比率のさらなる向上により、コア製品戦略を強化する方針。

戦略強化に向け、強みである表面処理・カラー鋼板、ステンレス、特殊鋼分野などへの投資余力を確保するため、間もなく改修期を迎える呉製鉄所の高炉2基のうち、19年度末までに第1高炉を拡大改修し、その後第2高炉を休止する。新日鉄住金に鋼片供給を要請し、不足する鉄源を調達する。

呉製鉄所はさらなる高付加価値化を推進。高出銑比操業による生産効率向上と合わせて、全量溶銑予備処理体制の実現を図る。特殊鋼分野では所内の操業効率化投資により生産能力を向上、水素焼鈍設備を新規導入し生産体制を強化する。またLF(取鍋精錬炉)設備の活用を通じて、より付加価値の高い高清浄度鋼の拡販を進める。

呉製鉄所はこれまでにLF設備導入、加熱炉燃料転換工事、自家発電設備の更新など、競争力強化、高付加価値化への投資を実施している。

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