日本鉄鋼連盟の柿木厚司会長(JFEスチール副社長)は26日、就任後初の記者会見に臨み、「経済発展のための基盤整備に向けた電力やエネルギー、税制などに関する政府への提言、鋼構造による国土強靭化に資する提案、安全水準の向上、健全な鉄鋼自由貿易の維持などに取り組みたい」と抱負を述べた。
鉄鋼業を取り巻く環境について「国内は雇用が改善し、賃上げが中小企業まで波及する期待も高まっている。円安が定着し、株高が続いており、原油安などの効果もあって、2%程度のGDP成長が見込まれている」との認識を示した。足元の鉄鋼需給については、需要の端境期で薄板3品在庫も高水準にあることから、4―6月の粗鋼生産が前年同期の2760万トンを下回る可能性を指摘したうえで、「需要は7―9月の後半から下期にかけて回復するとみており、2015年度の全国粗鋼生産は14年度並みの1億1000万トン程度になるのではないか」と述べた。