知多半島に拠点を構える企業11社の企業緑地を公開する「ラブ!グリーンデイ2014」が9月20、21日の2日間にわたって開催された。鉄鋼・非鉄関連からは愛知製鋼、JX日鉱日石エネルギー、新日鉄住金、大同特殊鋼、LIXILなどが参加し、企業緑地のあり方を紹介した。
本イベントは日本エコロジスト支援協会が主催し、知多半島「命をつなぐプロジェクト」連携企業11社の共催で開催された。知多市、東海市を中心とした愛知県民の親子連れ約150人が参加し、知多半島に広がる企業緑地を体験するとともに、さまざまなイベントが開催された。本年から愛知県内の大学生ボランティアが参加するなど、多様な年代に取り組みが広がっている。その中から今回、愛知製鋼と大同特殊鋼の取り組みを紹介する。
【愛知製鋼】落葉広葉樹の森体感
愛知製鋼は鉄鋼・自動車部品コースの20日午前部として、ネーチャークラフトを作成するイベントを開催した。同コースに参加した小学生とその保護者27人は、同社の会社案内の動画を視聴後、西知多産業道路沿いに位置する同社工場横の緑地帯へと移動した。
同社では12年度より、生物多様性維持に向けた活動の一環として、落葉広葉樹の森を形成し、生物が自然の中で暮らし続ける環境を創出する「カブトムシのすむ森づくり」の活動を緑地帯で実施している。13年度にはグループ社員やその家族、約200人が1200本の苗木を植樹した。現在も日々、緑地は生命力あふれる森へと成長し続けている。
その緑地に集まった子供たちは、フォトフレームの材料となる小枝などを集めてまわるとともに、生物・環境の専門家による埋立地での植物育成の解説や、日本固有の植物と外来種との違いなどについて説明を受けた。
その後、参加者は、拾った小枝を用いて熱心にフォトフレームを作成し、会場は笑顔と笑い声であふれた。
【大同特殊鋼】魚・野鳥など親しむ
大同特殊鋼では、112万平方メートルの敷地面積を誇る知多工場において、170種、6万本に及ぶ樹木を擁する18万平方メートルの広大なグリーンベルトでイベントを実施した。
同工場の操業開始から50年以上にわたりはぐくまれた大自然は従業員の憩いの場としても手入れされており、参加者は遊歩道やビオトープを散策。臨海部では魚影に沸き、ジュウシマツやコゲラといった野鳥を探し、トンボを追うなど、親子で自然との触れ合いを満喫した。
また工場外周を巡り、各施設の解説で企業への理解を深めた後は、企業緑地で集めた資材を使ったネーチャークラフトも実施。子供たちは小枝やドングリ、マツボックリに加えビーズなどもふんだんに使い、思い思いに飾ったフォトフレームの作製を楽しんだ。