三井物産スチールの社長に笠松啓二副社長(59)が、4月1日付で昇格するトップ人事が固まった。丹内孝治社長(62)は3月31日付で執行役員を退任し、6月の株主総会日付で取締役を退任し、顧問に就任する。
笠松氏は77年、三井物産に入社。海外駐在を重ね、米大手鋼材流通のスチールテクノロジーズ会長も経験した国際派で、高炉メーカーからの信頼も厚い。10年8月から三井物産スチール代表取締役副社長を務めている。社長就任後は、国内建設鋼材・メタルスクラップ関連事業のメタルワン建材との統合検討作業の詰めを行うとともに、その後の三井物産スチールの展望を描いていくことになる。
丹内社長は約6年にわたり、三井物産スチールの事業拡充と収益力強化の施策をけん引。国内のコイルセンター事業を日鉄商事(現日鉄住金物産)とのNSMコイルセンターに再編集約。メタルワン建材との国内建設鋼材・メタルスクラップ関連事業の統合検討にこぎ着けるなど、再編・統合による商社機能の拡充と業界発展に尽力してきた。