2014年1月7日
鉄鋼新経営―新たな成長シナリオ― シリーズトップに聞く ■JFEスチール社長 林田 英治氏 14年度粗鋼3100万トン視野 ROS10%を目指す
――経営環境が好転し、収益回復も著しい。
「国内の経済環境は確実に好転しており、特に昨年後半から鉄鋼需給や鋼材市況にその効果が表れてきた。一方、供給過剰が続く海外は市況建て直しに時間を要している。2014年3月期の連結業績予想は売上高が前期比8・4%増の2兆7100億円、経常利益が8・5倍の1300億円。数量増とコスト削減効果で増収増益を見込むが、収益回復はまだ道半ば。規模の差を考慮しても、新日鉄住金に対して見劣りすることは否めない。足腰をさらに鍛え、競争力を世界トップレベルに引き上げていく」
――高炉製品はタイト感が強まり、拡販機会が広がっている。
「国内は目いっぱい販売している。今期は単独粗鋼生産量を前期比100万トン増の2900万トンに引き上げる。3000万トンも可能だが、追加の100万トンはコストが上がり、価格が低迷するスポットの輸出市場で拡販しても利益に結びつかない。来期に向けて製造基盤整備に着手しており、14年度は経済的に3000万トンペースで走ることができる。さらに3100万トンも視野に入れていきたい。今期、来期と150億円規模を集中的にかけて、設備面のみならず人材育成も含めて進めていく」
――コークス炉の能力不足対応は。
「製鉄所内のエネルギーバランスも考えて順番に更新投資を行っている。昨年倉敷地区の1A炉を建て替えたところで、今後は倉敷と千葉地区の設備更新を検討していく」
――さて来期は中期経営計画の最終年度。実力ベースの連結経常利益は今下期に年率1800億円まで回復する。中計目標のひとつROS(売上高経常利益率)10%達成の手応えは。
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