2013年10月4日
世紀の大合併から1年―新日鉄住金、世界最強を目指す― ―2― ■第1部 総論(1)中期経営計画/大競争に勝ち抜く手応え
「大変満足のいくレベルでこの1年が経過し、これから先も期待できる」(宗岡正二会長兼CEO)。新日鉄住金は、経営統合効果によって大きく広げた帆で経営環境好転による追い風を捉え、「想定を上回る良好なスタートを切った」(友野宏社長兼COO)。
【国内環境は好転】
新日本製鉄と住友金属工業が「世界トップクラスの総合鉄鋼メーカー」を目指し、経営統合に向けて検討を開始すると発表したのは11年2月。最大手と3位メーカーの超大型合併。独占禁止法上のハードルは相当高いと見られていたが、両社はアジアの鉄鋼大競争時代到来の強い危機感を背景に「公取委をロジックで説得しようとする不退転の決意」(当時の公取委・企業結合課長)で臨み、時代を切り拓いた。
新日鉄住金は、こうして当初計画通り12年10月1日に発足し、「総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカー」の実現に向けて、荒海の中を出帆した。
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