2013年2月19日
鉄スクラップ 1―3月見通し 輸出 前年上回る高水準、内需は堅調推移
2013年1―3月の鉄スクラップ需要は、国内では前年同期並みからやや増加、輸出は前年同期より高い水準で推移することが見込まれる。国内の建設需要回復への期待から生産が顕著に落ち込むとは考えにくく、一方で輸出については韓国メーカーからの日本産鉄スクラップへの引き合いが続くと見られる。
国内需要については、経済産業省が発表した1―3月期の粗鋼生産計画で2611万2000トン(前期実績見込み比0・8%増)としている。日本鉄源協会の資料による11年度の粗鋼生産量に対する鉄スクラップ消費量の比率は31・7%、製鋼歩留り(粗鋼生産/鉄源消費)は92・0%で、これを基にした1―3月の鉄スクラップ見掛け消費量は約894万トンと推計される(鉄源協資料による前年同期実績は898万8000トン)。
鉄スクラップ需要で最も大きい国内電炉メーカーによる消費量は、復興需要本格化などに向けた異形棒鋼やH形鋼といった建材関係の生産増による増加が見込まれている。
鉄スクラップ輸出については、12暦年は月次平均70万トン台と好調、昨年末からの円高是正もあり、増減はあるものの比較的高い水準を維持すると見られる。主要な向け先である韓国メーカーに対しては2月分までの契約残があると見られ、3月以降についても米国産などの手当てが進んでいないことから、日本産への一定量の引き合いが出ると見られている。
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