2013年3月4日
NTN、自己潤滑性焼結軸受を新開発 油使わず摺動性実現
NTNは、特殊黒鉛を固体潤滑剤として採用し、軸受け材料組成の最適化により、油が使用できない環境にも適用できる「自己潤滑性焼結軸受」を開発した。
産業機械や自動車分野で広く用いられる焼結含油軸受けは、軸受け内部に保持した潤滑油で潤滑している。このため、コピー機の内部や自動車のヘッドライト内部など周辺部品への油の付着が装置の性能低下を招くような用途や、潤滑油が蒸発する高温環境には適用できなかった。
新開発の焼結軸受けは、焼結金属業界として初めて特殊黒鉛を潤滑剤として採用。黒鉛はその他金属粉末に比べ流動性に劣るため、これまでは増量すると成形できなかったが、開発品は金属粉末の配合を変更するとともに、流動性の高い特殊黒鉛を従来の5倍以上添加することで、高い生産性を確保しながら、潤滑油を使用することなく優れた摺動性、耐摩耗性を実現。
また、導電性を持つため静電気を逃すことができ、軸受けの不具合原因となる粉じん吸着を防止する。さらに給電部材として適用することで、電気を供給するための部品が不要となり、装置の部品点数削減にも貢献する。
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