昭和電工は16日、連結子会社の昭和タイタニウム(富山県)が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトで、紫外光応答型光触媒材料として最高レベルの活性を持つ酸化チタンを開発したと発表した。
光触媒材料としての酸化チタンは、粒子が細かいほど触媒活性が向上する。ただ微細な酸化チタンは一般的に結晶に欠陥が生じやすく、光触媒としては光の利用効率が低下し、触媒活性が下がる。
昭和タイタニウムは、セラミックコンデンサー向けの超微粒子酸化チタンの製造技術である気相法を応用。微細で欠陥が少ない十面体酸化チタンを開発した。
光触媒は光エネルギーで特定の化学反応を加速する物質。すでに実用化されている光触媒の酸化チタンは、紫外光で強い酸化還元反応と超親水性を示す。強い酸化還元反応により有機物の汚れが分解され、超親水性で水が膜状に広がるため、窓ガラスの曇り止めや外壁の汚れを防ぐコート剤など、自然エネルギーを利用した環境浄化技術としての応用が期待されている。