2010年1月5日

JFEスチール、高耐熱ステンレス開発

 JFEスチールはこのほど、モリブデンフリーの高耐熱フェライト系ステンレスを新たに開発し、国内外にサンプル出荷を開始した。従来鋼種より高温強度、熱疲労特性、耐酸化性、加工性に優れ、高価で価格変動の大きいモリブデンを添加していないため、コスト競争力もあるという。主に自動車の高温排気系部品であるエキゾーストマニフォールドや触媒コンバーター(排ガス浄化装置)ケースなどに需要を見込む。

 JFEが開発したのは「JFE―TF1」で、クロム、銅、ニオブを含有する。高耐熱材であっても耐熱性と同じく重要な特性である加工性を低下させないよう配慮し、同社開発の高加工性耐熱鋼である「JFE429EX」(15%クロム、1%ケイ素、0・5%ニオブ、低炭素)および「JFE―MH1」と同等の加工性を持つ。

 特長は、モリブデンを添加しない点でSUS444に対し大幅なコストダウンを図れることや、熱疲労特性が従来の高耐熱フェライト系ステンレスを大きくしのぐこと、セ氏1000度の大気中(200時間加熱)でも異常酸化せず、極めて優れた耐酸化性を備えることなど。

スポンサーリンク