2010年7月9日
DNAメタル、めっきメディア再生 東大阪市・異業種共同開発
DNAメタル(大阪市東淀川区下新庄)はこのほど、大阪府東大阪市の企業と協力しチップコンデンサーをめっきする際に使用されているめっきメディアの再生事業を開始した。
チップコンデンサー(セラミックコンデンサー)のめっき方法は、錫・ニッケルをめっきした小さな鉄球(めっきメディア)を槽に入れ、通電しながら攪拌するのが主流で、この方法は、めっきメディアにも多量の錫やニッケルが付着し、頻繁に交換しなければならなかった。また、これまでは再生利用ができなかったため、週に数十トンの廃棄処分を余儀なくされていた。
同社は、資源保護と環境問題の観点から、めっきメディアの再利用に着目し、東大阪市の異業種企業参画プロジェクトとして事業化を計画、東邦焼鈍(東大阪市南荘町)、ミズノハードテック(東大阪市高井田西)、帝国イオン(東大阪市柏田西)の各社に協力を要請し、共同開発で、使用済みメディアから付着した錫、ニッケルのはく離に成功し、再度めっきしメーカーに納める事業を開始した。
技術ノウハウは焼鈍温度設定に数百回の試験を繰り返し、研磨とはがし技術を一体化した特殊バレルを開発したほか、サイクロン掃除機を応用した分離機ではく離されためっき層と鉄球を分離。強アルカリ性溶液に漬けることで錫だけが溶液に溶け出しニッケルが沈殿する。その溶液を電解することで電極に錫が集まる(99・9%)。また、新開発した特殊バレルは、ハイス鋼にタングステンのペネトロン処理が施されている。また、再生を繰り返すことでメディア球の粒の大きさが均一化され、めっき不良の発生率が低減することも確認されている。
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