2010年10月12日

江藤造船、省エネ加温装置を開発 アルミめっきで熱伝導率50%向上

 アルミ船やチタン船建造を手がける江藤造船所(本社=佐賀県唐津市、江藤光明社長)はこのほど、「省エネ加温装置」(特許取得、実用新案登録)に溶融アルミめっき加工を施した新タイプの装置(特許2010―070370)を開発した。

新製品・新技術 新タイプの装置は、従来のステンレス素材タイプに比べて熱伝導率が50%以上速くなり、燃費、CO2削減が約15%前後見込めるなど省エネ効果とCO2削減に大きな威力を発揮している。とくに近年のオイル高騰から農業ハウス関係や水産加工関係などから問い合わせも相次いでいる。

 「省エネ加温装置」は、長さ2000×幅200ミリで、ステンレス平板に熱伝導の高い特殊板を無数に取り付けたステンレスバンド。これを現在使用中の各メーカーの加温機(温風機)の熱炉の基板に、ステンレスバンドで締め付ける。これまでの試験結果、A重油で30%以上の燃料消費の節約になることが実証された。

 同社はさらに、熱伝動率の効果を高め、省エネ、CO2削減を促進するためステンレス基盤に溶融アルミめっき加工を行った。これにより熱伝導率は大幅にアップするなど良好な結果を得た。

 同装置の主な特長は(1)加温機はあらゆるメーカーの現在の製品に取り付けて使用できる(2)単品で非常に安価(3)取り付けが簡単(4)省エネ結果が取り付け後に即判明する(5)故障がほとんど発生しない(6)軽量のため製品の持ち運びが安易で危険性が低い(7)燃焼炉は鋳物材の金属疲労により炉に割れが発生する場合があるが、同装置取り付けによりステンレス板にバンドで締め付けることで逆に割れを防止する(8)無数のフィン取り付けにより熱を分散させ割れ防止・炉の温度以上に温度の上昇はない(9)鉄製鋳物と同装置は電位差が少なく、異種金属により電食はなく長の造船技術(海水)で立証されている――などが挙げられる。

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