2010年11月4日
協和電線、アルミ線に錫めっき/はんだ付け、軽量化実現
古河電気工業グループの電線メーカー、協和電線(本社=大阪市)は2日、アルミニウム導体に錫系合金めっきを施し、はんだ付けと軽量化を可能にした電線「ALC(アルク)」を発表した。福井県坂井市の工場に約1億円を投じて専用めっき設備を導入、月約10トンの生産体制を整えた。電線の軽量化が求められる携行型電子機器、自動車などへの用途展開をめざす。
アルミ線を独自の特殊処理層でコーティングした後、錫系合金めっきを全長にわたって施す。この素線を撚り合わせて導体にし、絶縁被覆を被せて電線にする。
アルミの表面は酸化皮膜に覆われているため、はんだが非常に付きづらいが、錫系合金めっき層によってはんだ付けを可能にする。全長をめっきするので、どの位置で切断してもはんだ付けできる。
特殊処理層の効果で、異種金属接合によるアルミの腐食を防ぎ、錫系合金めっきとの親和性も高める。アルミ線を銅でコーティングする「銅クラッドアルミ線」に比べると、切断端末の耐腐食性は約10倍になる。
軽量化効果は、同等の電気特性を持つ銅電線に比べて約40%。携帯電話、モバイルパソコンのような携行型電子機器、自動車など、内部配線の軽量化が求められる用途への採用を見込み、年内の販売開始をめざす。販売価格は銅電線の同等以下に抑える方針。
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