2010年12月16日
NSSC、レアメタル40%削減のCr系新鋼種を開発
新日鉄住金ステンレス(NSSC)は15日、錫(Sn)を0・3%添加することによりニッケル、モリブデン、銅を含有しない16%クロム系ステンレス「NSSC―FW2」を開発・商品化したと発表した。一般的なステンレスであるSUS304と比べ加工性が高く、耐食性は同等以上という。レアメタルを40%削減した省資源型高耐食ステンレスとして、SUS304(18%クロム―8%ニッケル)からの代替を狙う。
FW2は一般環境での耐食・耐銹性はSUS304と同等以上で、クロム系の中では最高水準の加工特性(LDR、液圧バルジ高さ)を有する。このため割れなく多段深絞り性が可能。省合金化を追求したことにより、原料価格変動の影響を最小限に抑えた。孔食電位はSUS304より高い。FW1では錫を0・1%含有したが、FW2では0・3%に錫比率を高め加工性を高めた。
NSSCでは、FW2をSUS304の代替鋼種として世界拡販する方針。「コストでは足元のSUS304出荷価格より、10―20%安くできる」(伊藤仁常務)としており「厨房機器、電気機器、器物類、建築部材、台所用品など多種多様な用途に提供していきたい」(同)。
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