2011年1月24日

JFEエンジ、断層用水道鋼管を開発

 JFEエンジニアリング(岸本純幸社長)はこのほど、断層用鋼管(水道用、特許取得済み)を開発した。

新製品・新技術 日本国内には、2000カ所以上の活断層が存在するといわれる。活断層は1000年周期で動くとされ、地域によって異なるものの、断層変位が起こる可能性は数%―14%とされる。1回の断層変位量は平均2メートル、最大で8―10メートルとされており、この場合、埋設されている水道管路が変形・亀裂し、漏水する可能性が高くなる。

 JFEエンジは、特徴のある製品構造で断層変位を吸収する断層用鋼管を開発。座屈波形を鋼管に設けており、変形しやすい形状をあらかじめ与えることで、変形をコントロールする。条件(地盤、断層変位、断層角度)に合わせて、直管と断層用鋼管を組み合わせることで、断層変位に対応する。鋼管に亀裂が生じることなく、シミュレーション通り、大変形に追随させることが可能だ。

 直管部と同じ管厚のため、変形後、座屈波形が伸びきっても、常時荷重に耐えることができる。液状化による側方流動や地盤沈下などにも対応が可能。シンプルな構造で他工法と比べて大幅なコストダウンを実現する。座屈波形1山当たり15度まで対応し、鋼管外径(ベンディング鋼管)は800A―3000A。座屈波形部分は鋼管外径800A―1200Aは液圧加工、1200A以上はプレス加工で対応する。実大実験で30度以上曲げても亀裂・漏出がないことを確認している。

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