神鋼アルミ線材(本社=堺市西区)はこのほど、独自のビレット熱間圧延技術により高強度6000系合金の開発に成功した。
新合金は、一般的なA6061(調質T6)合金に比べて引っ張り強さが45%増の450ニュートン、耐力が同60%増の400ニュートン、伸びは従来品と同等の10%を達成する。高強度とされてきたA6056合金と比較しても、引っ張り強さ、耐力ともに従来品を上回り、成型性に優れる上、冷間鍛造や切削加工も可能だ。製品直径は1―18ミリまで対応する。
欧州では、A6056合金のアルミボルトが自動車のエンジン回りに採用されているが、日本国内では強度基準が厳格なため、アルミ素材ではなく鉄が使用されていた。しかし、最近では燃費向上などを目的とした自動車軽量化のニーズが拡大するにつれ、国内でも鉄製品からアルミ合金への転換需要が高まり、同社では高強度合金の開発を進めてきた。