2010年4月30日

高炉、5社とも大幅減収減益

 高炉5社の2010年3月期連結決算が28日出そろったが、世界同時不況による上期の販売数量減と価格低下が響き軒並み大幅減収減益となった。

 経常損益ベースでJFEホールディングスが692億円、新日本製鉄が118億円、神戸製鋼所が102億円と3社が黒字を維持したが、住友金属工業は10期ぶりの赤字に転落し、日新製鋼は2期連続の赤字となった。直近の第4四半期(1―3月)は海外需要の拡大などを受けてJFEが735億円、新日鉄が554億円の経常利益を計上するなど回復が鮮明となった。

 11年3月期は海外需要が好調に推移するとの見通しから5社ともに販売数量の回復を見込むが、鉄鉱石・石炭など主原料サプライヤー大手から価格引き上げや年間契約の四半期への短縮を迫られており、鋼材価格への転嫁などの対応が収益回復のカギを握る。原料価格、鋼材販売価格ともに交渉中であることから合理的な算定ができないとして、住友金属を除く4社が業績予想を見送った。

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