日新製鋼呉製鉄所(冨田耕司所長)は昨年秋以降、稼働率が急回復しており、現在製鋼90%超、圧延はフル体制となっている。
リーマンショック後の急激な生産調整に伴って、同所も大底になった09年2―3月は出銑比が1・45まで低下、一時高炉操業は70%、熱延は50%を切るレベルまで落ち込んだ。このため、スラブを市内の工業用地(阿賀マリノポリス)を借りて備蓄するなど、緊急対策を講じた。
その後、輸出増加を背景に6月ごろから操業率は上向きに転じ、秋以降は90%超の操業を続けている。また、熱延量が早めに戻ったこともあって、所外に備蓄していたスラブも今年1月で消化している。