現代製鉄、東国製鋼など韓国の電炉メーカー各社は、先週末にかけ韓国内鉄スクラップ購入価格をトン当たり1万ウォン値下げした。重量Aの価格は、50万ウォンを割った。POSCO、東部製鉄、世亜ベスチールなどの板系メーカーは、値下げを見送った。市場は、ゼネコンの倒産を軸に異形棒市況の軟化が見られている。このため各電炉は、スクラップの値下げで収益改善を図る方向にある。
韓国の鉄スクラップ市場は、3月段階から軟化傾向にあり、4月段階でメーカーの購入価格は2万ウォン強下がっている。先週、大手ゼネコンとの5月積み異形棒価格が実質2万ウォン下げで決着した。電炉各社はスクラップ価格の引下げで対応しなければならなくなった側面もある。
東国製鋼は仁川工場で9日から1万ウォン下げ。現代製鉄は11日から仁川工場、唐津工場で1万ウォン下げ。韓国鐵鋼、大韓製鋼、韓国特殊形鋼が14日から1万ウォン下げとなっている。
一連のスクラップ価格下げの中で、市中の大手ヤード業者からの出荷水準は逆に増加している。先安感が依然残っており、出荷を早め値下がりリスクを回避しているためと見られている。
電炉各社の5月の異形棒生産量は、60万トン台で横ばいと見られている。POSCOは光陽製鉄所の電炉ミニミルの定期改修を5月11日から40日間の予定で実施。この間のスクラップ消費量は10数万トンの減少が見込まれている。こうした状況から5月後半での再度の値下げの可能性も指摘されている。