現代製鉄などの韓国電炉メーカーは今週から、国内鉄スクラップ購入価格の引下げを実施。在庫に余裕のある東国製鋼が3月28日からトン当たり5000-1万ウォン下げたのに続き、4月12日から韓国特殊形鋼が1万ウォン下げ。現代製鉄の仁川工場と唐津工場が重量と旋盤スクラップを1万ウォン下げた。同社浦項工場は14日から重量以下を1万ウォン値下げする。韓国南部・嶺南地区メーカーは14日以降実施で1万ウォン値下げで追随する。3月中旬で下げ止まりつつあった韓国の鉄スクラップ市場は、東日本大震災後軟化した日本市場に影響される形で下げ局面となっている。
韓国の鉄スクラップ市場は、今週からメーカー主導での軟化場面となっている。背景にあるのが輸入スクラップの増加と4月での製品減産、国家備蓄スクラップの放出―などで、これに3月末での日本産の安値オファーが買い安心感を与え、全面的な下げ場面を示現している。
特に大きく影響したのが輸入スクラップの入荷増で、3月は後半に集中し、最終的には70万5000トンと昨年10月以来5カ月ぶりの70万トン台乗せとなった。現代製鉄は通常の工場在庫60万―70万トンを大きく割り込む水準でも、余裕を持った買い姿勢を維持している。他の電炉もこうした大手の対応に安心感を持っているようだ。加えて政府調達庁が国家備蓄から2万トン(日本産)を韓国製鋼に払い下げ売却。さらに4万トン分のアメリカ産スクラップも近く再入札で売却する。
一方生産面では、主力の異形棒を中心に4月は64万トンに減産することが明確になっており、消費面からも積極的なスクラップ買いの必要性が低下している。
ただ4月末から5月以降には、再び市況は上昇すると見られており、アメリカ産のカーゴベースでの契約は政策的に拡大する方向にある。