2011年度がスタートした。鉄鋼業界は、国内需要の停滞、円高による輸出競争力の低下、原料価格の上昇などの構造問題に、東日本大震災の影響が加わり、国内は試練の1年となる。
一方、新興国を中心に世界経済は成長軌道に戻りつつあり、海外には成長チャンスが広がる。内外2極化が加速し、世界の経済・市場構造が大きく変化する中、鉄鋼メーカー・流通各社が生き残りを図るには、リスクを取りつつチャンスをとらえていく、柔軟な経営判断とスピードある実行力が求められ、業界再編も進展する。
メーカー各社にとっては、東日本の被災地・設備の復旧と電力不足下での安定生産、収益確保のための価格政策の実行が、当面の課題となる。