重仮設リース大手各社は、東日本大震災の影響で東北拠点に大きなダメージを負った。過去の重大災害時をみても、インフラの回復などに重仮設資材は必要不可欠であるものの、特に宮城県内の拠点は稼働不能な状態に追い込まれているのが現状。多くの会社は復旧のめどが立っておらず、他拠点による補完など応急資材を供給できる体制の構築を急ぐ。
16日午前現在までで、上場大手4社のうちジェコスを除く3社が、震災の影響に関する開示情報を発表しており、いずれも人的被害はない。一方で、宮城県内のヤードは壊滅状態に近いとみられ、ジェコス、ヒロセも含め大手5社のすべてが操業を停止している。
ヒロセ、丸藤シートパイル、丸紅建材リースの3社は、ヤードが津波による浸水被害の深刻な岩沼工業団地に位置しており、資材の荷崩れやクレーンの故障など設備被害は大きかった。丸紅建材リースは仙台市宮城野区の港湾地区に位置し、津波被害は深刻だったとみられる。ジェコスは宮城県黒川郡と内陸部の拠点だったため、津波の被害はなかった。電気、道路などのインフラが回復すれば、操業のめどが立つ状況。
今後、東北地区の被害状況が明らかになるにつれて、資材出荷の重要性が具体化していくことが想定され、重仮設業協会は現在、重仮設業者の応急資材出荷に向けて供給能力の確認を進めている。3月末をめどに、資材供給体制を明確化する見通しで、大手各社も東北拠点の復旧を急務として注力していく。
エムオーテックは、秋田、青森、郡山工場を中心に、西は名古屋までを含めて資材を応急出荷する体制を整備している。ヒロセは八戸、秋田、北上工場など近隣の工場について、被害状況を確認しながら、東北拠点の補完を行っていく方針。他社もそれぞれ拠点網の再構築へ、動きを本格化している。