住友金属工業は15日、東日本大震災で設備被害を受けた鹿島製鉄所の操業再開の見込みが立たないため新日本製鉄に応援を要請したことを明らかにした。鹿島は、岸壁と上工程の設備などが損傷し、全ラインが停止したまま。新日鉄には代替生産・供給などを要請したものとみられる。
鹿島は岸壁や岸壁クレーンが損傷し、上工程ではコークスガスホルダーの火災による損傷、コークス原炭槽の座屈と一部ガス配管の接続外れ、高炉付帯設備の損傷などが発生した。設備の早期復旧に向けて総力を挙げているが、いまのところ操業再開のめどは立っていないという。
自動車メーカーなど需要家には事情を説明し、納期調整などの要請に入った。
和歌山製鉄所や住友金属小倉は通常操業を続けているが、製造品種が異なることから代替生産が限定的なものとなるため新日鉄に緊急応援を要請した。
鹿島は内容積5370立方メートルの大型高炉2基を持つ銑鋼一貫製鉄所。住友金属の基幹製鉄所で、粗鋼生産量は年間800万トン規模。薄板、厚板、UO鋼管、大型形鋼などを生産する。高炉2基は11日の大震災から休風状態が続いており、近日中の送風再開を目指すものとみられる。