高炉メーカー4社の2011年4―6月期連結決算が28日出そろったが、主原料の大幅な値上がりに鋼材価格の改善が追いつかず、東日本大震災や円高などの影響で、前年同期に比べて鋼材販売量も減少した。このため、新日本製鉄、JFEホールディングス、神戸製鋼所の3社が経常減益となった。
策定が困難として見送っていた12年3月期(経常利益)は、新日鉄が前期並みの2300億円、JFEHDが22%減の1300億円、神鋼が44%減の500億円となる見通しで、金融危機後の収益回復が遅れ、得意分野も異なる住友金属工業は2・9倍の1000億円を見込む。
各社ともに7―9月期はひも付き中心に販価改善が一部進展するが、10年4月以来、主原料の四半期契約化と価格高騰を受けて縮小を続けてきたマージン回復による製鉄事業の収益立て直しが、引き続き経営課題となる。