全国小棒懇談会は21日、定例の記者会見を開き、樋渡健治会長(新日鉄住金常務執行役員建材事業部長)は、「小形棒鋼の10月国内在庫率は82・7%となり、前年同月比では依然高い水準だが、09年、10年と同じ水準まで低下している。年末でこの状態になったことは喜ばしく、年明け後もこの傾向が続いてほしい。来年は一部の電力会社が電気料金を値上げするが、原発稼働前提での値上げで、鉄スクラップも市況が上昇傾向で円安の影響も懸念される。一方、復興需要が本格化するだろうし、補正予算からの需要も出てくるとみられる。この中で社会的要請に応えるため、適正利潤を確保できる販売価格レベルに戻さなければならない」と指摘した。
また「建設に関わる産業は地産地消が原則で、特に小棒業界はスクラップを含めて、地域におけるバリューチェーン、サプライチェーンの循環産業であり、継続可能な業態になるよう来年以降頑張っていきたい」と述べた。