2012年8月13日

12年上期回顧と秋口見通し、関東・薄板

 関東地区の薄板市況は今年に入り、一度も反発することなく、一貫して弱気ムードが市場を支配し続けた。春先からの需要の落ち込みに伴う市況の軟化は、過去3年間同じ傾向にあり、新日本製鉄やJFEスチールなどが採算改善を目的に店売り向けの値上げを表明しても市場は一向に反応しなかった。

 好材料に乏しい中、契機となり得るのは10月の新日鉄住金誕生だ。新会社の影響力が強まり、「市場の安定化につながる」(コイルセンター筋)と期待する声も上がる。しかし、欧州や中国の景気減速、海外市況の続落などで、「新会社誕生のインパクトが薄れてしまうぐらい環境は良くない」(商社筋)。先行きの不透明感は強く、予断を許さない状況の中、市場は様子見姿勢が続くとみられ、市況は横ばいで推移する公算が大きい。

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