1
2024.12.24
2024年12月24日
鉄鋼業界で働く/女性現業職編/インタビュー/リサイクル業に魅了され
緑豊かな工業団地の一角に、長崎県随一のヤードと設備を持つ長崎スクラップセンター(本社=長崎県諫早市、三田滋広社長)。その中心には太陽のように明るい女性が活躍している。大きな重機を華麗に操る夏井かおりさんにリサイクル業や今後の目標について聞いた。
――リサイクル業に携わったきっかけは。
「リサイクル業に飛び込んだのはたまたまで、最初の会社では古紙をメインに扱い、手作業で仕分ける軽作業からスタートしました。負けず嫌いなこともあり、どんどん紙以外のプラスチック、非鉄製品、鉄製品などさまざまな種類を扱うために勉強しました。軟らかいと加工しやすいのだろうな、水に強いから適していたのかなと想像を働かせながら仕事をしていました。時代の変遷とともに、コストなどを踏まえた材質の変化、環境影響負荷製品へと変わっていったのでしょうが、昔の製品は理にかなっているなと感じましたね」
――幼少期から負けず嫌いだった。
「兄2人の家庭に育ち、『女の子だから』と言われることに疑問を持っていました。家庭内のお手伝いもそうですが、与えられる仕事の種別の違いに違和感があり、性別に関係なくできるはず、と負けん気も強かったですね」
――長崎スクラップセンターとの出合いは。
「長崎スクラップセンターとは前職で働いている頃に、出荷先という関係で出合いました。車の解体車両が上に3台も積み上がって何百台もあるヤードや、まるで生き物のように簡単に重機を操る姿を見ると、自身も手作業だけじゃなく大型重機に乗りたいという思いが募りました。初めてシュレッダープラントを見たときは感動しましたね。感動を覚えて転職してから、現在は勤続6年目になります」
――すぐになじめた。
「同僚には職人気質の人が多く、それぞれの特技があり、専門知識も豊富です。最初は女性である分、厳しい言葉をかけられることや、気を使って大きな仕事を任せてもらえないこともありました。自身にスキルが付くことで自信を持てるようになり今は『肝っ玉母ちゃん』として全員と仲良く働いています。全員が特技を持ち寄って会社を良くしていく一角に名を連ねる存在となりたいですね」
――前職で取得した各種免許を生かして。
「当時の職場の社長がクレーンやマグネット付き重機の免許を取らせてくれたり、積極的にチャレンジを後押ししてくれました。大型車両の運転と考えると自動車免許の延長のように想像できますが、計量、リフト、玉掛けグラインダーなど作業一つ一つに必要な免許が存在しています。近年はたくさんの種類があり、取得するごとにできる作業の内容が増えることがやりがいになっています」
――リサイクル業に魅了された。
「最近では大きな風車を取り扱いました。日常生活の中で見ているものに携われることは楽しみで、仕事の魅力の一つです。あれだけの大きさのものを細かく切ったり分解して分別していくことは、この仕事でないと知らなかったと思います。グループ会社である九州製鋼に見学へ行ったときは、自分の扱ったスクラップが溶かされて製品になる様子を見ることができて、感銘を受けました。出来上がった製品がどこかに渡って、何かの役に立っていると考えると、やりがいのある仕事だと感じモチベーションも向上しました」
――まだまだ業界に女性は少ない。
「3Kと呼ばれているが、若い世代や女性社員を増やし、活気のある業界にしていきたいですね。現在、私を含め3人の現場で働く女性がいますがまだまだ少ないです。かつての私がそうだったように、憧れてやってみたいと思う人もきっと日本のどこかにいると思います。危険を伴う仕事ではありますが、女性の働く場所としての間口がもっと広がればいいのにと思いますし、先駆となれたらうれしいです」
――今後の目指すところは。
「女性らしい気遣いで、縁の下の力持ちとして『おせっかいな先輩』となりたいです。新人教育の場面などで細かいところに気を配るには、自分のスキルアップも必要で、気持ちだけでなく重機や技術についても知らないと教えることができません。若くして母になり、働きながら子育てをし、やっと一段落ついたところです。長女が巣立ち、さみしい気持ちもありますが、自分の時間に余裕ができ、作業ノウハウも入社当初の何倍も身に付いたおかげか、仕事に集中できるようになったと考えています。これからの人生でさらにスキルアップを目指したいです」
――仕事に一層集中できる。
「同業他社の見学がしてみたいです。地域特有の運搬方法などがあるのか、品質や規格などに違いがあるのかなど、ヤードの使い方や作業動線を見て勉強になることが多くあると思います。また、量を扱える、さばけるようになることも目標の一つです。長崎県内唯一のシュレッダープラントを持つヤードとして、県内の案件を幅広く拾っていきたいと考えています」(髙橋 千彩都)
鉄鋼業界で活躍する女性をはじめとした多様な人材、未来を担う人材を、随時紹介していきます。
――リサイクル業に携わったきっかけは。
「リサイクル業に飛び込んだのはたまたまで、最初の会社では古紙をメインに扱い、手作業で仕分ける軽作業からスタートしました。負けず嫌いなこともあり、どんどん紙以外のプラスチック、非鉄製品、鉄製品などさまざまな種類を扱うために勉強しました。軟らかいと加工しやすいのだろうな、水に強いから適していたのかなと想像を働かせながら仕事をしていました。時代の変遷とともに、コストなどを踏まえた材質の変化、環境影響負荷製品へと変わっていったのでしょうが、昔の製品は理にかなっているなと感じましたね」
――幼少期から負けず嫌いだった。
「兄2人の家庭に育ち、『女の子だから』と言われることに疑問を持っていました。家庭内のお手伝いもそうですが、与えられる仕事の種別の違いに違和感があり、性別に関係なくできるはず、と負けん気も強かったですね」
――長崎スクラップセンターとの出合いは。
「長崎スクラップセンターとは前職で働いている頃に、出荷先という関係で出合いました。車の解体車両が上に3台も積み上がって何百台もあるヤードや、まるで生き物のように簡単に重機を操る姿を見ると、自身も手作業だけじゃなく大型重機に乗りたいという思いが募りました。初めてシュレッダープラントを見たときは感動しましたね。感動を覚えて転職してから、現在は勤続6年目になります」
――すぐになじめた。
「同僚には職人気質の人が多く、それぞれの特技があり、専門知識も豊富です。最初は女性である分、厳しい言葉をかけられることや、気を使って大きな仕事を任せてもらえないこともありました。自身にスキルが付くことで自信を持てるようになり今は『肝っ玉母ちゃん』として全員と仲良く働いています。全員が特技を持ち寄って会社を良くしていく一角に名を連ねる存在となりたいですね」
――前職で取得した各種免許を生かして。
「当時の職場の社長がクレーンやマグネット付き重機の免許を取らせてくれたり、積極的にチャレンジを後押ししてくれました。大型車両の運転と考えると自動車免許の延長のように想像できますが、計量、リフト、玉掛けグラインダーなど作業一つ一つに必要な免許が存在しています。近年はたくさんの種類があり、取得するごとにできる作業の内容が増えることがやりがいになっています」
――リサイクル業に魅了された。
「最近では大きな風車を取り扱いました。日常生活の中で見ているものに携われることは楽しみで、仕事の魅力の一つです。あれだけの大きさのものを細かく切ったり分解して分別していくことは、この仕事でないと知らなかったと思います。グループ会社である九州製鋼に見学へ行ったときは、自分の扱ったスクラップが溶かされて製品になる様子を見ることができて、感銘を受けました。出来上がった製品がどこかに渡って、何かの役に立っていると考えると、やりがいのある仕事だと感じモチベーションも向上しました」
――まだまだ業界に女性は少ない。
「3Kと呼ばれているが、若い世代や女性社員を増やし、活気のある業界にしていきたいですね。現在、私を含め3人の現場で働く女性がいますがまだまだ少ないです。かつての私がそうだったように、憧れてやってみたいと思う人もきっと日本のどこかにいると思います。危険を伴う仕事ではありますが、女性の働く場所としての間口がもっと広がればいいのにと思いますし、先駆となれたらうれしいです」
――今後の目指すところは。
「女性らしい気遣いで、縁の下の力持ちとして『おせっかいな先輩』となりたいです。新人教育の場面などで細かいところに気を配るには、自分のスキルアップも必要で、気持ちだけでなく重機や技術についても知らないと教えることができません。若くして母になり、働きながら子育てをし、やっと一段落ついたところです。長女が巣立ち、さみしい気持ちもありますが、自分の時間に余裕ができ、作業ノウハウも入社当初の何倍も身に付いたおかげか、仕事に集中できるようになったと考えています。これからの人生でさらにスキルアップを目指したいです」
――仕事に一層集中できる。
「同業他社の見学がしてみたいです。地域特有の運搬方法などがあるのか、品質や規格などに違いがあるのかなど、ヤードの使い方や作業動線を見て勉強になることが多くあると思います。また、量を扱える、さばけるようになることも目標の一つです。長崎県内唯一のシュレッダープラントを持つヤードとして、県内の案件を幅広く拾っていきたいと考えています」(髙橋 千彩都)
鉄鋼業界で活躍する女性をはじめとした多様な人材、未来を担う人材を、随時紹介していきます。
スポンサーリンク