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2024.12.4
2024年12月12日
リオティントジャパンの展望/アルフ・バリオス会長/安定供給・脱炭素に貢献/日本企業と7つの合弁 協力深める
英資源大手リオティントの日本法人、リオティントジャパンのアルフ・バリオス会長が年内で退任する。多くの商社、鉄鋼、製錬メーカーなどと協業関係を築き、日本は同社にとって非常に重要な存在だと繰り返してきたバリオス氏。同社の日本でのビジネスの現状と展望、パートナーへの思いなどを聞いた。
――リオティントと日本企業のパートナーシップはどのように発展してきたか。
「日本はリオティントにとって長期的な戦略的パートナーで、その歴史の中でも重要な存在だ。日本との歴史は、およそ1世紀前に始まり、双方が技術革新や資源の安定供給を目指す中で、信頼関係を深めてきた」
「リオティントは日本への主要な原材料サプライヤーの一社として、鉄鉱石、高純度アルミを含むアルミ地金、酸化チタン原料、ホウ酸塩などの金属・鉱物を供給している。日本はレール、鉱山機械、自動運転トラックや列車、海運など多岐にわたる物資・サービス・技術のサプライヤーでもある。日本のパートナー企業とは7つの合弁事業を世界中で展開。これらのパートナーシップが、日本の産業に必要な金属や鉱物の安定供給を可能にするとともに、私たちの事業に安定をもたらしてきた」
――日本とのパートナーシップにおけるバリオス会長の活動や成果を聞きたい。
「私は2021年からチーフ・コマーシャル・オフィサーおよび日本担当責任者として日本のビジネスリーダーと連携し、積極的に協力関係を深めてきた。協力関係には、サプライチェーン全体での脱炭素化に向けた取り組みも含まれる。例えば、日本製鉄と低炭素排出の鉄鋼バリューチェーンへの移行に協力する覚書を締結。三井物産とは脱炭素に関する包括的な取り組み、住友商事とはアルミナの生産に水素を活用する世界初の試み、そして丸紅とはリオティントの責任ある低炭素アルミニウムを日本の最終需要家に供給する戦略的な業務提携を締結した。コマツとはトラックを含むゼロエミッションの鉱石運搬ソリューションの開発と導入に共同で取り組んでいる」
――カーボンニュートラルをはじめ、鉄鋼・非鉄産業を取り巻く事業環境は大きく変化している。
「ネットゼロへの移行は当社の戦略の中心であり、責任を持って生産された低炭素製品への需要の高まりにも対応できる体制を整えている。再生可能エネルギーへの転換、加工工程の電化、電動車両の導入などにより、当社資産の排出量削減を加速するとともに、顧客の脱炭素化を支援する製品や技術の開発に取り組む」
「昨今では、新型コロナウイルスのパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻など世界情勢の不安定化が続いており、原材料の供給リスクが高まる。当社の資産のほとんどは地政学的リスクが低い国々にあり、ホスト国政府との強力なパートナーシップを維持するよう努めている。日本を含む各市場へ安定的に供給を続ける体制を強化し、重要鉱物のサプライチェーンの強靭化のためより良い方法を模索していく」
――バイオアイアン、低炭素アルミなど低環境負荷材料の将来展望と、今後期待するビジネスを。
「私がアルミ部門のCEOに就任した10年前から、低炭素アルミの導入や製品のトレーサビリティ向上に取り組んできた。近年は低炭素技術や環境に配慮した素材の需要が世界的に高まり、顧客からの引き合いが増え、努力が実を結びつつあることをうれしく思う。日本の顧客やエンドユーザーは予測可能で安全なサプライチェーンを構築し、供給の安定性を確保できるパートナーを求めており、リオティントが貢献できる領域だと確信している」
「エネルギートランジションとともに需要が増えると予想されるアルミは自社の水力発電を主体とする製錬所をニュージーランドとオーストラリアに所有し、低炭素アルミの大手サプライヤーとして日本への安定供給に貢献している。鉄鉱石では、鉄鋼の製造過程での炭素排出を大幅に削減する画期的な技術としてバイオアイアンを開発し、鉄鋼業界全体の持続可能な発展の一端を担う技術だと期待している。また、銅などのエネルギートランジションに不可欠な鉱物への投資を積極的に推進しており、リチウム事業にも参入していく」
――日本のパートナーや市場関係者へのメッセージを。
「長年にわたり、日本のパートナーや市場関係者の皆様には多大なる支援と協力をいただき、心から感謝している。私たちの関係は単なるビジネスパートナーシップを超え、長期的な信頼関係に基づく協力体制となっている。これからもリオティントは日本企業の発展をサポートし、持続可能な未来をともに目指すパートナーであり続ける。皆様との絆を大切にし、さらなる発展を期待している」
――リオティントと日本企業のパートナーシップはどのように発展してきたか。
「日本はリオティントにとって長期的な戦略的パートナーで、その歴史の中でも重要な存在だ。日本との歴史は、およそ1世紀前に始まり、双方が技術革新や資源の安定供給を目指す中で、信頼関係を深めてきた」
「リオティントは日本への主要な原材料サプライヤーの一社として、鉄鉱石、高純度アルミを含むアルミ地金、酸化チタン原料、ホウ酸塩などの金属・鉱物を供給している。日本はレール、鉱山機械、自動運転トラックや列車、海運など多岐にわたる物資・サービス・技術のサプライヤーでもある。日本のパートナー企業とは7つの合弁事業を世界中で展開。これらのパートナーシップが、日本の産業に必要な金属や鉱物の安定供給を可能にするとともに、私たちの事業に安定をもたらしてきた」
――日本とのパートナーシップにおけるバリオス会長の活動や成果を聞きたい。
「私は2021年からチーフ・コマーシャル・オフィサーおよび日本担当責任者として日本のビジネスリーダーと連携し、積極的に協力関係を深めてきた。協力関係には、サプライチェーン全体での脱炭素化に向けた取り組みも含まれる。例えば、日本製鉄と低炭素排出の鉄鋼バリューチェーンへの移行に協力する覚書を締結。三井物産とは脱炭素に関する包括的な取り組み、住友商事とはアルミナの生産に水素を活用する世界初の試み、そして丸紅とはリオティントの責任ある低炭素アルミニウムを日本の最終需要家に供給する戦略的な業務提携を締結した。コマツとはトラックを含むゼロエミッションの鉱石運搬ソリューションの開発と導入に共同で取り組んでいる」
――カーボンニュートラルをはじめ、鉄鋼・非鉄産業を取り巻く事業環境は大きく変化している。
「ネットゼロへの移行は当社の戦略の中心であり、責任を持って生産された低炭素製品への需要の高まりにも対応できる体制を整えている。再生可能エネルギーへの転換、加工工程の電化、電動車両の導入などにより、当社資産の排出量削減を加速するとともに、顧客の脱炭素化を支援する製品や技術の開発に取り組む」
「昨今では、新型コロナウイルスのパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻など世界情勢の不安定化が続いており、原材料の供給リスクが高まる。当社の資産のほとんどは地政学的リスクが低い国々にあり、ホスト国政府との強力なパートナーシップを維持するよう努めている。日本を含む各市場へ安定的に供給を続ける体制を強化し、重要鉱物のサプライチェーンの強靭化のためより良い方法を模索していく」
――バイオアイアン、低炭素アルミなど低環境負荷材料の将来展望と、今後期待するビジネスを。
「私がアルミ部門のCEOに就任した10年前から、低炭素アルミの導入や製品のトレーサビリティ向上に取り組んできた。近年は低炭素技術や環境に配慮した素材の需要が世界的に高まり、顧客からの引き合いが増え、努力が実を結びつつあることをうれしく思う。日本の顧客やエンドユーザーは予測可能で安全なサプライチェーンを構築し、供給の安定性を確保できるパートナーを求めており、リオティントが貢献できる領域だと確信している」
「エネルギートランジションとともに需要が増えると予想されるアルミは自社の水力発電を主体とする製錬所をニュージーランドとオーストラリアに所有し、低炭素アルミの大手サプライヤーとして日本への安定供給に貢献している。鉄鉱石では、鉄鋼の製造過程での炭素排出を大幅に削減する画期的な技術としてバイオアイアンを開発し、鉄鋼業界全体の持続可能な発展の一端を担う技術だと期待している。また、銅などのエネルギートランジションに不可欠な鉱物への投資を積極的に推進しており、リチウム事業にも参入していく」
――日本のパートナーや市場関係者へのメッセージを。
「長年にわたり、日本のパートナーや市場関係者の皆様には多大なる支援と協力をいただき、心から感謝している。私たちの関係は単なるビジネスパートナーシップを超え、長期的な信頼関係に基づく協力体制となっている。これからもリオティントは日本企業の発展をサポートし、持続可能な未来をともに目指すパートナーであり続ける。皆様との絆を大切にし、さらなる発展を期待している」
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