――行政院経済部(経済産業省に相当)が主導して設立したCE推進室(CEPO)とは。
「2018年に行政院は『5+2』政策を決定した。5には半導体産業などが含まれ、2には循環経済が含まれる。それらの政策を省庁間を超えて、具体的に推進することがわれわれの役割だ」
――どのような産業が対象になるのか。
「エネルギーやCO2排出量が大きい、石油化学や金属、エネルギー、電子産業などが重点対象となる」
――台湾のCEはどの段階にあるのか。
「現在は第2段階に入ってきており、デジタルと循環経済を追うツイントランスフォーメーションが重要視されている。デジタルやAIを用いながら、ゼロエミッションを加速し、サステナブルサプライチェーンを支援していく」
――半導体産業のCEは。
「例えばTSMCは独自にゼロエミッションを推進し、硫酸などの多くの物資の資源循環を進めている。副産物だけでなくエネルギー関連も重視されており、クリーンエネルギーや再生エネルギーの導入も進めている。また、排水処理設備の重要性も高まっている。政府もそれらを政策で支えていく」
――台湾におけるCEの課題は。
「CEは産業によって大きく状況が変化している、脱炭素と違いマイルストーンなども構築が簡単ではなく、評価が難しいことも課題だ」
――CE実現のためには産官学だけではなく、一般消費者の動向も重要になる。
「CEを民間に普及するためには教育が重要になる。台湾では一般の教育レベルが上がってきており、産業界も環境への意識が高い。CEをプロモートする条件はそろっていると感じている」
――CEのデジタル化の進展は。
「例えば衣料品のリサイクルなどもAIを用いることで、より細かく選別できる。再生エネルギーもAIを用いることで、より効率的な運営を進められる。また、AIを用いたマテリアルのデータベース化にも取り組むことで、さまざまな産業で再生資源を活用することができるだろう」