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2024.12.4
2024年7月24日
総合商社 金属トップに聞く/丸紅・金属本部長 田口誠二氏/PPC価値を最大化/銅スクラップ率高め付加価値向上へ
丸紅の金属本部は銅、鉄鉱山の拡張など成長戦略を着実に進める。冷鉄源やリサイクルの強化、息の長い鉱山の探鉱案件などを絡め、一段高い収益を目指すという田口誠二本部長に方針を聞いた。
――業績の総括を。
「2023年度の連結純利益は1635億円と、2000億円近かった22年度と比べると下がった。22年は全ての鉱山で生産が順調だった。市況もみなよかったので両方の効果だった。23年は一部相場が下がったが、保有している銅鉱山と鉄鉱山、原料炭鉱はフル生産を続けてくれた。1500億円内外が巡航速度と思っているのでしっかり数字が出せた」
――昨年の新戦力は銅の権益か。
「ロスペランブレスとPPC(パンパシフィック・カッパー)の権益買い増しは期末だったので収益貢献は24年度から。一過性の利益が出たところは一部あるが、23年度の取り込みで増えたところはない」
――24年度は。
「乗ってくるのはロスペランブレスの買い増しとPPCの持分。今年はエグゼキューションをしっかりやる年と位置付けている。去年センチネラ銅鉱山の拡張を決めた。総額44億ドル(約7000億円)に対して、25億ドルのプロジェクトファイナンスを付けている。生産開始までは利益貢献はなく費用の拠出が先行しマンパワーもかかるが、これをしっかりやるのがまず一つだ。鉄鉱石のロイヒルの拡張は時間がかかっているが、進めていきたい」
――市況はどう見るか。
「銅、アルミは底堅い。銅は一時からは落ちているが、9000ドルを保っているのはファンダメンタルで供給が容易に増えないとみな分かっている。一方で需要は確実にある。EVのスローダウンがあるが、銅はそもそもインフラが需要としては大きい。経済のブレとは別に着実に人口も増えて途上国の生活レベルが上がって確実に需要が増える。アルミも中国が少なくとも国内生産に関しては無理して作らせていないような感じもあるのである程度落ち着いてきた。生産コストは上がっているので、23年度の相場では厳しかったが、今年はある程度正当な市況になってきた。原料炭と鉄鉱石は落ちている。中国経済の不安定さ、先行き不安なところを反映している。それでも中国の製鉄会社が製品がだぶつくのが分かっていながら生産を継続しているが、製鉄会社が大幅に減産すると一気に原料の相場にも影響が出てくると危惧している。不動産とかインフラ関係の実需が少しずつ立ち上がってくるのかどうかというせめぎ合いだ。鉄鋼原料系はしばらくは不安な感じだ。その状態が1年も2年も続くとは思っていないので年後半くらい回復の兆しを見せてくれないかと期待している」
――24年度の減益は相場要因か。
「そうだ。最近資産効率もよくなっている」
――直接還元鉄(DRI)事業の検討は。
「継続だ。カーボンニュートラルに向かう方向は間違いないが時期は難しい。固めるのは時間がかかる」
――丸紅テツゲンの活動はどう強化する。
「国内のスクラップは取り合いになる。商機でもあるが、一方で各系列が囲い込みをする。ここはしっかりやらなければ。手薄なのは海外のスクラップ。そもそも商流もあまりない。日々の商売の積み重ねが何年にもわたって初めて投資という形で出てくる。いきなり投資とか海外を狙うのはできないと思う。今後2、3年は丸紅本体も一緒に考えようという姿勢にしている」
――ハドベイは探鉱が始まる。
「この夏からフィールドワークが始まる。夏は湿地帯になる。夏にできることをやって冬は本格的に探鉱をやる」
――探鉱はハドベイ以外にもあるか。
「アラスカで前からやっている。環境にも配慮しなければいけないとか色々あるのであせってはいない」
――銅権益はセンチネラ拡張後で20万トンくらい。その先は。
「権益数量の具体的な目標は設定せずに、少しでも優良な権益を積み上げる。鉱山は操業が進めば資源量が減ってしまうし、採掘条件も悪くなる。既存の鉱山の生産は減っていくので、それを補うのが最低限。まだまだ色々手掛けないとだめだ」
――非鉄のスクラップは。
「丸紅メタルでイースクラップも含めて扱っている。これも丸紅本社側と共同で今後どう集めるかが課題。日本の銅製錬があるので商流としては日本向けにどう確保するかだ。参画したPPCはリサイクル原料由来の電気銅の販売を本格化する。銅スクラップの比率を高めるほどグリーンカッパーの度合いが増し、銅地金の付加価値が増す。スクラップも扱えるし自分たちが売る銅地金の価値も上がる」
――PPC参画の効果は。
「PPC自体も地金の販売をやっており、我々も顧客基盤は持っているので顧客基盤が広がった。ポジションの管理だったり為替の管理だったりよりち密に効率のいいオペレーションを目指す。PPCの価値最大化最優先でやっている」
――グリーン銅はプレミアムが取れるか。
「あまり取れていない。銅は自溶炉を使っている。アルミ製錬は火力か水力ベースの電力かで大きくCO2の排出量も違うし、グリーンアルミと言いやすい。需要家に効果を訴求しやすい。丸紅はリオティントと協業すると言っているし、数年前からマーケティングしていたが、プレミアムを払ってまで買わないと言っていた顧客が今は買うと言っている。水力ベースのグリーンアルミはアジア圏でたいしてない。プレミアムはMJP(新地金の対日プレミアム)と同額くらいになってきた」
――アロエッテは水力。
「カナダのあの辺のアルミ製錬所は全部水力。アメリカ向けの販売はグリーンプレミアムがない。その代わりアメリカは(新地金の)プレミアムが世界一高いから成り立っている」
――グリーンアルミの調達先も増やすのか。
「増やしたいが、既存の製錬所はかなり商流が固まって難しい。解決策としてリオティントと協業と早くから打ち出している」
――アロエッテの拡張は。
「ずいぶん前にあって、最近また何とか拡張できないかと考えているが、水力ベースの電力の確保が難しい。みなほしい。幸いケベック州、電力公社とも良好な関係を築けているので、既存の電力量は今後も確保できるが、拡張用に5割増しの電力量を買いたいといっても難しい」
――オーストラリアも再生可能エネルギーに変わってきたか。
「リオティントが発表したが、ボインで2・2ギガ㍗の契約を発表した。グリーン化する方針を打ち出した。(再エネの)供給は29年から。先の話だが、有力な資産になる。グリーンならアルミ製錬業をやっていく」
――伊藤忠丸紅鉄鋼(MISI)とどう連携するか。
「MISIと自動車用のアルミでは連携している。新しく素材を探してるという話になれば伊藤忠商事なり、両株主と連携している。アルミは株主、鉄はMISIだが、コイルセンターはMISIが機能を持っているので、それを使わない手はない」
――鉄鋼製品事業部の陣容は。
「8人。それに加えてMISIへ出向者も出している。MISIは相場と為替に左右されない基礎的な利益を確実に積み上げていく。トレード量を伸ばすとかオーガニックな成長には限界がある。M&Aを使って地産地消と言っているが、米国や欧州とか特定の経済圏の中で業容のある会社を買収なり一部参画によって利益の積み増しをしていく方針でやっているので、それには賛同していて、後押ししたい」
――電池のリサイクルも出資先のサーバの工場が来年立ち上がる。
「段階があって、まずは電池をつぶして中から金属が入っているブラックマスを取り出す。その設備は既存ラインがあったところの横にその3倍のラインを建設中。これが年内くらいには完成する。その次としてブラックマスから硫酸塩にする、その建設は最終エンジニアリング中なので、それを決めて来年には建てたい。動きだすのは再来年になるかもしれない」
――電池の集荷とか販売とか、来期以降の事業展開や効果は。
「効果が出るのはだいぶ先の話。今考えているのは、リサイクルなので地産地消が基本で、地域で回るだろうと思っている。中国では実際にそうなっている。経済圏というか北米が先に来るとみてサーバをやったが、欧州とかアジア圏でもそういう取り組みができれば良いと考えて関係者と協議している」
――国内は。
「化学メーカーと組んでそういうサイクルのチェーンを構築しようとしている。電池材の難しいところは、自動車OEMによる最終的に使われる品質基準が厳しい。製品の技術認証も大変だろう。プラント一つ建てるといっても、出てきた製品が最終的に自動車OEMから認められる品質まで安定的に出せるというところは時間がかかるかもしれない」
――2500億円とか3000億円とか将来収益を拡大するシナリオは。
「例えばロイヒルが遅れたら、数字に出てくる時期は遅れる。ただそこら辺のレベルを目指したいのは変わっていない。もう2000億円近くまでは相場がよければ実績が出ている。いつどう実現できるかは、もしかしたら遅れるかもしれないし、あるいはポートフォリオの中身が変わってくるかもしれない」
――非鉄の電池リサイクル以外では。
「非鉄は探鉱で銅に限らずミックスメタルというか銅・鉛・亜鉛が混じっているものとか、小ぶりで少しでも経済性が高いものがあればと考えている。バッテリーメタルで言うと、リチウムも仕組みができればやりたい。バッテリーリサイクルのいろんなグループ作りの中で、鉱石というか原料も押さえたいという話になったらやっていきたい」
――原料炭は600万トンくらいあって増やす余地はあるか。
「レイクバーモント炭鉱は新規鉱区がだんだん深くなっていくので、坑内掘りの許認可作業を粛々と進めている。露天掘りによる生産も深くなり効率が悪くなっていくので、新しく坑内掘りを併用することで安定させる。原料炭は必要なのでしっかり供給義務を果たす」(谷藤 真澄、正清 俊夫、田島 義史)
▽たぐち・せいじ氏=東大工卒後、91年入社。冶金工学出身で貿易を志し商社へ。原料炭をベトナム駐在含め17年間担当後、総括を経て、アルミに転じて7年間担当。16年軽金属部長。19年金属戦略企画室長。21年金属本部副本部長。本年5月執行役員、本部長。ハノイ駐在時は異文化に触れて価値観の幅を広げた。週末はローストビーフなど男の料理を家族に振る舞う。質実剛健が信条。67年10月1日生まれ、東京出身。
――業績の総括を。
「2023年度の連結純利益は1635億円と、2000億円近かった22年度と比べると下がった。22年は全ての鉱山で生産が順調だった。市況もみなよかったので両方の効果だった。23年は一部相場が下がったが、保有している銅鉱山と鉄鉱山、原料炭鉱はフル生産を続けてくれた。1500億円内外が巡航速度と思っているのでしっかり数字が出せた」
――昨年の新戦力は銅の権益か。
「ロスペランブレスとPPC(パンパシフィック・カッパー)の権益買い増しは期末だったので収益貢献は24年度から。一過性の利益が出たところは一部あるが、23年度の取り込みで増えたところはない」
――24年度は。
「乗ってくるのはロスペランブレスの買い増しとPPCの持分。今年はエグゼキューションをしっかりやる年と位置付けている。去年センチネラ銅鉱山の拡張を決めた。総額44億ドル(約7000億円)に対して、25億ドルのプロジェクトファイナンスを付けている。生産開始までは利益貢献はなく費用の拠出が先行しマンパワーもかかるが、これをしっかりやるのがまず一つだ。鉄鉱石のロイヒルの拡張は時間がかかっているが、進めていきたい」
――市況はどう見るか。
「銅、アルミは底堅い。銅は一時からは落ちているが、9000ドルを保っているのはファンダメンタルで供給が容易に増えないとみな分かっている。一方で需要は確実にある。EVのスローダウンがあるが、銅はそもそもインフラが需要としては大きい。経済のブレとは別に着実に人口も増えて途上国の生活レベルが上がって確実に需要が増える。アルミも中国が少なくとも国内生産に関しては無理して作らせていないような感じもあるのである程度落ち着いてきた。生産コストは上がっているので、23年度の相場では厳しかったが、今年はある程度正当な市況になってきた。原料炭と鉄鉱石は落ちている。中国経済の不安定さ、先行き不安なところを反映している。それでも中国の製鉄会社が製品がだぶつくのが分かっていながら生産を継続しているが、製鉄会社が大幅に減産すると一気に原料の相場にも影響が出てくると危惧している。不動産とかインフラ関係の実需が少しずつ立ち上がってくるのかどうかというせめぎ合いだ。鉄鋼原料系はしばらくは不安な感じだ。その状態が1年も2年も続くとは思っていないので年後半くらい回復の兆しを見せてくれないかと期待している」
――24年度の減益は相場要因か。
「そうだ。最近資産効率もよくなっている」
――直接還元鉄(DRI)事業の検討は。
「継続だ。カーボンニュートラルに向かう方向は間違いないが時期は難しい。固めるのは時間がかかる」
――丸紅テツゲンの活動はどう強化する。
「国内のスクラップは取り合いになる。商機でもあるが、一方で各系列が囲い込みをする。ここはしっかりやらなければ。手薄なのは海外のスクラップ。そもそも商流もあまりない。日々の商売の積み重ねが何年にもわたって初めて投資という形で出てくる。いきなり投資とか海外を狙うのはできないと思う。今後2、3年は丸紅本体も一緒に考えようという姿勢にしている」
――ハドベイは探鉱が始まる。
「この夏からフィールドワークが始まる。夏は湿地帯になる。夏にできることをやって冬は本格的に探鉱をやる」
――探鉱はハドベイ以外にもあるか。
「アラスカで前からやっている。環境にも配慮しなければいけないとか色々あるのであせってはいない」
――銅権益はセンチネラ拡張後で20万トンくらい。その先は。
「権益数量の具体的な目標は設定せずに、少しでも優良な権益を積み上げる。鉱山は操業が進めば資源量が減ってしまうし、採掘条件も悪くなる。既存の鉱山の生産は減っていくので、それを補うのが最低限。まだまだ色々手掛けないとだめだ」
――非鉄のスクラップは。
「丸紅メタルでイースクラップも含めて扱っている。これも丸紅本社側と共同で今後どう集めるかが課題。日本の銅製錬があるので商流としては日本向けにどう確保するかだ。参画したPPCはリサイクル原料由来の電気銅の販売を本格化する。銅スクラップの比率を高めるほどグリーンカッパーの度合いが増し、銅地金の付加価値が増す。スクラップも扱えるし自分たちが売る銅地金の価値も上がる」
――PPC参画の効果は。
「PPC自体も地金の販売をやっており、我々も顧客基盤は持っているので顧客基盤が広がった。ポジションの管理だったり為替の管理だったりよりち密に効率のいいオペレーションを目指す。PPCの価値最大化最優先でやっている」
――グリーン銅はプレミアムが取れるか。
「あまり取れていない。銅は自溶炉を使っている。アルミ製錬は火力か水力ベースの電力かで大きくCO2の排出量も違うし、グリーンアルミと言いやすい。需要家に効果を訴求しやすい。丸紅はリオティントと協業すると言っているし、数年前からマーケティングしていたが、プレミアムを払ってまで買わないと言っていた顧客が今は買うと言っている。水力ベースのグリーンアルミはアジア圏でたいしてない。プレミアムはMJP(新地金の対日プレミアム)と同額くらいになってきた」
――アロエッテは水力。
「カナダのあの辺のアルミ製錬所は全部水力。アメリカ向けの販売はグリーンプレミアムがない。その代わりアメリカは(新地金の)プレミアムが世界一高いから成り立っている」
――グリーンアルミの調達先も増やすのか。
「増やしたいが、既存の製錬所はかなり商流が固まって難しい。解決策としてリオティントと協業と早くから打ち出している」
――アロエッテの拡張は。
「ずいぶん前にあって、最近また何とか拡張できないかと考えているが、水力ベースの電力の確保が難しい。みなほしい。幸いケベック州、電力公社とも良好な関係を築けているので、既存の電力量は今後も確保できるが、拡張用に5割増しの電力量を買いたいといっても難しい」
――オーストラリアも再生可能エネルギーに変わってきたか。
「リオティントが発表したが、ボインで2・2ギガ㍗の契約を発表した。グリーン化する方針を打ち出した。(再エネの)供給は29年から。先の話だが、有力な資産になる。グリーンならアルミ製錬業をやっていく」
――伊藤忠丸紅鉄鋼(MISI)とどう連携するか。
「MISIと自動車用のアルミでは連携している。新しく素材を探してるという話になれば伊藤忠商事なり、両株主と連携している。アルミは株主、鉄はMISIだが、コイルセンターはMISIが機能を持っているので、それを使わない手はない」
――鉄鋼製品事業部の陣容は。
「8人。それに加えてMISIへ出向者も出している。MISIは相場と為替に左右されない基礎的な利益を確実に積み上げていく。トレード量を伸ばすとかオーガニックな成長には限界がある。M&Aを使って地産地消と言っているが、米国や欧州とか特定の経済圏の中で業容のある会社を買収なり一部参画によって利益の積み増しをしていく方針でやっているので、それには賛同していて、後押ししたい」
――電池のリサイクルも出資先のサーバの工場が来年立ち上がる。
「段階があって、まずは電池をつぶして中から金属が入っているブラックマスを取り出す。その設備は既存ラインがあったところの横にその3倍のラインを建設中。これが年内くらいには完成する。その次としてブラックマスから硫酸塩にする、その建設は最終エンジニアリング中なので、それを決めて来年には建てたい。動きだすのは再来年になるかもしれない」
――電池の集荷とか販売とか、来期以降の事業展開や効果は。
「効果が出るのはだいぶ先の話。今考えているのは、リサイクルなので地産地消が基本で、地域で回るだろうと思っている。中国では実際にそうなっている。経済圏というか北米が先に来るとみてサーバをやったが、欧州とかアジア圏でもそういう取り組みができれば良いと考えて関係者と協議している」
――国内は。
「化学メーカーと組んでそういうサイクルのチェーンを構築しようとしている。電池材の難しいところは、自動車OEMによる最終的に使われる品質基準が厳しい。製品の技術認証も大変だろう。プラント一つ建てるといっても、出てきた製品が最終的に自動車OEMから認められる品質まで安定的に出せるというところは時間がかかるかもしれない」
――2500億円とか3000億円とか将来収益を拡大するシナリオは。
「例えばロイヒルが遅れたら、数字に出てくる時期は遅れる。ただそこら辺のレベルを目指したいのは変わっていない。もう2000億円近くまでは相場がよければ実績が出ている。いつどう実現できるかは、もしかしたら遅れるかもしれないし、あるいはポートフォリオの中身が変わってくるかもしれない」
――非鉄の電池リサイクル以外では。
「非鉄は探鉱で銅に限らずミックスメタルというか銅・鉛・亜鉛が混じっているものとか、小ぶりで少しでも経済性が高いものがあればと考えている。バッテリーメタルで言うと、リチウムも仕組みができればやりたい。バッテリーリサイクルのいろんなグループ作りの中で、鉱石というか原料も押さえたいという話になったらやっていきたい」
――原料炭は600万トンくらいあって増やす余地はあるか。
「レイクバーモント炭鉱は新規鉱区がだんだん深くなっていくので、坑内掘りの許認可作業を粛々と進めている。露天掘りによる生産も深くなり効率が悪くなっていくので、新しく坑内掘りを併用することで安定させる。原料炭は必要なのでしっかり供給義務を果たす」(谷藤 真澄、正清 俊夫、田島 義史)
▽たぐち・せいじ氏=東大工卒後、91年入社。冶金工学出身で貿易を志し商社へ。原料炭をベトナム駐在含め17年間担当後、総括を経て、アルミに転じて7年間担当。16年軽金属部長。19年金属戦略企画室長。21年金属本部副本部長。本年5月執行役員、本部長。ハノイ駐在時は異文化に触れて価値観の幅を広げた。週末はローストビーフなど男の料理を家族に振る舞う。質実剛健が信条。67年10月1日生まれ、東京出身。
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