2022年2月3日

鉄鋼業界で働く/―女性営業職編―/インタビュー/丁寧な対応心掛ける

JFE商事本社では、2019年4月に入社した村山希理子さんが、自動車鋼材本部の東部自動車鋼材部自動車鋼材室で日々業務に取り組んでいる。幼いころから外国語や国際交流への関心が強かったという村山さん。インターンシップ参加が、同社で働きたいという気持ちへとつながった。就職活動や現在の業務内容、今後の目標などを聞いた。

――就職活動までの経緯を。

「小学校2年生の時に、初めて英会話を習いました。それまでは日本人以外と接する機会が少なく、海外に恐怖心を抱いていましたが、英語を学ぶことで、『いろいろな世界の人と仕事したい』と漠然と考えるようになりました。その上で、海外で働くなら英語以外の武器、もう一つの言語が必要と考え、神戸市外国語大学に進学。同じアルファベットで覚えやすそうだと感じたスペイン語を専攻しました」

――就職活動はどのように進めたか。

「外大は、物流、ホテル、国際機関、大使館、教師などを目指す学生が多く、周囲に鉄鋼業界を志望する人はいませんでした。私も鉄鋼に限らず商社を志望し、商材よりも、どんな人と働くかを重視して就活を進めていました。JFE商事には母校から例年数人が入社しているようなので、存在は気に留めていましたね。スペイン語が公用語のメキシコではこれから自動車産業が盛んになると知って、こういった分野なら学んだことを生かせるかも、と考えていました」

――インターンシップの参加が入社への大きな一歩となった。

「専門商社に志望を絞ったのち、大学3年生の冬、インターンシップに参加しました。部署や業務を教えてもらったり、実際の業務を模擬的に体験するメニューでした。終了後に、大阪支社で総合職の若手女性社員の方と会わせていただく機会がありました。女性社員の方と話すうち、感じる雰囲気などから自分の3―4年後のイメージが想像できたんです。それで、JFE商事に入りたい気持ちが強くなりました」

――入社後の業務内容を。

「安定的な納入のために、鋼材手配や進ちょくフォロー、またトライ材などの対応や品質面の対応も行っています。担当は栃木県や茨城県、群馬県など北関東を中心に、取引先は千葉県、神奈川県まで幅広いです。一人立ちができるよう、上司に相談をしつつ、日々業務に取り組んでいます。新型コロナウイルスの影響が少々落ち着き、外出の機会が増えたものの(注・取材は昨年11月)、まだ対面での会議が少ない分、メールだけでなく、電話のやりとりも欠かさないように気を付けています」

――大変なことは。

「市場での流通量が少ない特殊な鋼材において、確認不足から製造が間に合わず、お客さまにご迷惑を掛けてしまったことがあります。お客さまへの確認ができていれば防ぐことができた事象であり、力不足を感じました。変動が大きい業界なので、こまめにお客さまにヒアリングをし、その中で気になることがあっても『大丈夫そうだな』と済ませずにお客さまとの会話を増やす必要性を学びました。こういった失敗により、加工センターや部品メーカーでの緊急生産が必要になると、場合によっては現場でイレギュラー対応が必要になり、『安全』が脅かされる懸念もあります。『安全は全てに優先する』を第一に意識し、こまめな情報収集を疎かにしてはいけないと思いました」

――やりがいは。

「新車の立ち上げに関われることです。20年3月から国内自動車メーカーの新車の立ち上げに携わっていました。何回も試作材の納入手配を行い、最近になって量産が始まりました。まもなく本格化する予定で、予約待ちも多いと聞いています。ここまで大変なことも多くありましたが、今は達成感がありますね」

――自動車鋼材室で総合職の女性社員は1人だと伺いました。

「私が入社する直前までは総合職の女性社員がいましたが、異動されたため現在は1人です。男性の総合職社員は12人います。女性だから困ったという経験は特にありませんが、少なからずお客さまにはご配慮いただいている部分があるかな、と思います。最近は女性のお客さまも増えています。総合職の女性社員が少ない分、お客さまから覚えてもらいやすい存在なのかな、と感じていますね」

――今後の目標を。

「外大出身ですが、配属前の面談では国内営業を志望していました。国内の営業ができない中で、文化の違う海外での営業は難しいと思ったからです。3年間経験した今も、気持ちは変わっていません。日々の業務を遂行しながらも、より多くの知識を習得し、お客さまの困りごとなどを一緒に解決していけるような、最終的には私が担当者で良かったと思ってもらえるような丁寧な対応ができる社員になりたいです」

(芦田 彩)

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