2020年12月14日
「トップに聞く」住友電気工業 井上 治社長 車載市場の回復見込む 平角巻線、生産能力3倍へ
CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)や5Gの進展など電線を取り巻く事業環境は、大きな変革期を迎えている。新型コロナ禍の影響により人の移動が制限される中、社会インフラをつなぐ役割を果たす電線メーカーの取り組みに注目が集まる。住友電気工業の井上治社長に足元の事業環境と今後の戦略を聞いた。
――今上期(2020年4―9月期)の総括と今後の見通しを。
「上期は売上高が前年同期比18・7%減の1兆2392億8700万円、営業損失は114億1400万円となった。新型コロナ禍の影響により、4―6月期はワイヤハーネス、工作機械向けの粉末合金、エンジンに使われる焼結部品、車載用の電子ワイヤ、耐熱電線などが大きく落ち込んだ。特に主力のワイヤハーネスの生産量は前年同期の50%程度となった。一方、8―9月あたりから車載市場が急回復しており、ワイヤハーネスの生産量は前年並み、超硬工具や焼結部品は90―95%程度まで戻ってきた。通期業績に関しては、売上高を前回公表から500億円増の2兆8000億円、営業利益を200億円増の700億円と上方修正した。光ファイバーや電子デバイスが低調な情報通信関連事業は厳しい状況だ。しかし、下期のワイヤハーネスの受注量は、前年同期を上回る水準で推移するだろう」
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