大同特殊鋼グループの工具鋼事業会社、大同DMソリューション(DDMS、本社=大阪府大東市)は、10月29日付で組織を改正し、平林一彦代表取締役会長が代表取締役社長に就くなどの新たな経営体制の移行と構造改革を発表した。29日に開いた臨時株主総会および取締役会で正式決定した。
DDMSは、本年5月に公表した不適切な会計処理を受け、6月26日付で平林氏が代表取締役会長に就任し、古東一仁社長は代表権のない取締役社長に就いた。徹底した課題の洗い出しの共有と再生に向けた取り組みを進めていた。3カ月かけて課題の共通認識を深めたことから、新たな経営体制の移行と機構改革をスタートする。
経営体制は、監視機能が不十分だった反省を踏まえ、責任と権限を明確にする。取締役は常務取締役などの役付けを廃止し、社長以外は取締役に一本化。会長職は廃止し、平林代取会長が代取社長に就任。古東社長は退任する。執行役員は9人体制で、坂田進・営業本部販売企画部長が執行役員に昇格する。
構造改革は、11月から8つの構造改革プロジェクトを発足し、改革を進める。社長直轄の部署として「構造改革推進部」を新設し、事業戦略に関する4つのプロジェクトとガバナンスや生産性向上に関する4つのプロジェクトを取りまとめる。このほか、製品区分(ユニット)別に収益管理と管理者を設け、収支管理責任を強化する。