新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、7月に開幕を予定していた東京五輪の1年延期が3月に決まった。安倍晋三首相らが国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話会談し、8月からのパラリンピックとともに「年内開催は不可能」との認識で一致した。世界最大のスポーツイベントとして知られる五輪が、開催年を延期したのは史上初。
戦後復興の象徴だった1964年以来の大会開催は、疫病で持ち越された。経済的ダメージを避けるため中止は回避されたが、コロナ対策を含む新たな経費は東京都や政府が公費で賄うことになった。大会の簡素化も検討されたが、IOCは実施競技や開閉会式の規模縮小には消極姿勢。テレビ放映権料など、平和の祭典に利権が絡む負の側面が浮き彫りになった。【EPA時事】