7月3~8日、九州一帯を記録的な豪雨が襲い、多くの河川が氾濫して大規模な水害が発生。熊本県や福岡、鹿児島両県などで死者計75人、行方不明者2人を出した。被害の最も大きかった熊本県では、球磨川が氾濫し、球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」の入所者14人を含む65人が犠牲となり、4500棟を超える住宅が全半壊した。
雨は中国~東北地方の広範囲で続き、気象庁は同月31日までの期間を「令和2年7月豪雨」と命名した。停滞する梅雨前線に湿った空気が流れ込んで大雨が長期化し、特に九州では積乱雲が連なる線状降水帯が多数発生したのが原因とされた。治水対策のため、熊本県は11月、環境保護などを理由に民主党政権下で建設中止となった、球磨川支流の川辺川でのダム建設を容認した。【時事通信社】