2016年1月15日
東洋アルミのアルミ顔料、桂由美パリコレドレスに初採用
左から東洋アルミニウム会長・熊井友里奈さん・桂由美さん
見る角度によって色が変わるアルミ顔料「クロマシャイン」を用いた織物を使い、デザイナーの桂由美さんが制作した今年のパリコレクション用ドレスの発表会が14日、東京・南青山で行われた。タレントの熊井友理奈さんがモデルとしてドレスを披露。クロマシャインを開発した東洋アルミニウム(本社=大阪市中央区)の今須聖雄会長、桂さんとともに会見に臨んだ。
クロマシャインは球状のアルミパウダーを平均20ミクロンの大きさにフレーク(薄片)化し、その1粒ずつに厚さ約1ミクロンのシリカ(ガラス)を巻き、さらに銀めっきとシリカを塗り重ねた4層構造。そこに光が当たると、各層で反射する光が互いに干渉し合い、顔料が入っていないのに玉虫色に見える。見る角度によっても強く見える色が変化する。
自動車車体の塗装や海外ブランドの化粧品などに実用化されているが、衣料分野での使用は今回が初めて。用途拡大を目指す東洋アルミが桂さんにクロマシャインを提案。桂さんがパリコレに出展する新作ドレス20点のうち3点に採用した。クロマシャインをポリエステルの両面にグラビア印刷した糸を横糸に、絹を縦糸に用いた織物を使用している。
今年流行の細身・アンシンメトリーのシルエットに流水の紋様をあしらったドレスを着た熊井さんは「ドレスの迫力に緊張したが、今回自分の高身長をチャームポイントに変えられる場が与えられて嬉しい。アルミについては今まで専門的なことは知らなかったがドレスに使われるとはすごい」。今須会長は「初めてのチャレンジだが干渉色の特長を活かし多方面で使ってもらえたら」と話した。
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