18日朝に発生した大阪北部地震による非鉄流通筋の影響は軽微で、当日は物流面での混乱、一部倉庫の荷ずれやクレーン故障が発生したものの、19日からは通常業務に全面復帰しているもようだ。
18日は午後から一部私鉄と地下鉄が運行を再開したため、出社済みの社員の帰宅難に配慮して午後から臨時休業とした商社や問屋もあった。一方で在庫問屋では、電話回線が通じた加工ユーザーからの注文もあり、自社便配送を通常通り行った扱い筋もあった。
物流面では、阪神高速道路が18日午後1時まで通行止めとなったこともあり、一般道路が渋滞。問屋の午前便の配送ができないケースや、帰着が夕方となるなどの支障が出たが、19日は午前便・午後便ともに平常通り運行している。
倉庫ではおおむね荷崩れは起きず。一部で荷ずれやパレットのずれなどが起きたが、18日中にはほぼ復旧している。ただ、震源地近い北摂地方にある伸銅品・軽圧品のメーカー系列の委託倉庫では、棚から銅管が落下したとの報告もあり、関係者が確認を行っている。
また、社屋の壁にひびが入るなどの建屋関連の破損はあったが、修繕レベルの小規模にとどまった様子。都市復旧のため、水栓・ガス金具や電線ケーブルなどで緊急を要する建築関連資材もなく、「東日本大震災の時のような仮需は来ていない」(大阪府内の伸銅品問屋)と、商状への影響もなさそうだ。
上場企業では大阪府吹田市や京都府八幡市などに物流拠点を置く泉州電業が19日、人的被害や建物・設備への大きな被害がなかったことを発表している。
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18日朝、大阪府北部を中心に発生した最大震度6弱の地震による、関西地区の非鉄メーカー各社の影響は軽微だった。現在のところ人的被害の報告もなく、全社がほぼ通常操業を続けている。
三菱伸銅三宝製作所(大阪府堺市)はボイラー水回りで一部破損があったが、生産に支障はなく、18日午前から通常体制で操業している。日本伸銅(同)、古河電気工業大阪事業所(兵庫県尼崎市)も影響はないとしている。開明伸銅(京都府亀岡市)では工場構内のガラスが割れたが人的被害はなく、三谷伸銅(京都市南区)、宇治伸銅(同)、丸江伸銅(京都府城陽市)とともに通常操業を続けている。
住友電気工業の大阪事業所(大阪市此花区)、伊丹事業所(兵庫県伊丹市)、タツタ電線(東大阪市)ともに人的・物的被害の報告はなし。東洋アルミニウム(大阪市)の事業所、アルミ二次合金関連の新豆陽金属工業(兵庫県川西市)や平安(京都府久世郡久御山町)、軽圧・サッシメーカーでも操業に影響は出ていない様子。
大阪チタニウムテクノロジーズ(兵庫県尼崎市)の本社工場も設備に損害はなく、操業への影響は小さかった。製錬8社グループの事業拠点にも影響はない様子。住友金属鉱山は播磨事業所(兵庫県加古郡播磨町)の硫酸ニッケル生産には影響はないとコメント。経済産業省によると、震度5弱以上の地点にある休廃止鉱山の被害は確認されなかった。