静岡地区の大手非鉄原料流通、坂部商事(本社=静岡市駿河区豊田、坂部正行社長)はこのほど、本社ヤードに保管中の銅スクラップ、約55トン(約4000万円相当)が5月26日、盗難被害にあったことを明らかにした。鉄製の壁を破壊して侵入する悪質な手口であり、大掛かりな窃盗集団の犯行と予測される。そのため同社では同業他社に対して注意喚起を行っている。今回の事件による同社への影響は軽微であり、通常通り荷物の受け入れ・出荷作業なども行っている。
同社によれば犯行は26日の夜から未明にかけての行われた可能性が高いもよう。鉄製の壁を壊し、防犯センサーを乗り越え、防犯カメラの死角をついて侵入。防犯カメラには袋をかぶせており、プロの窃盗集団による計画的な犯行の可能性が高い。
また、フォークリフトやユンボは電源を直結して使用。天井クレーンも活用し、50トン以上の銅スクラップを大型ウイング車1台のみで運び出したもよう。被害にあった銅スクラップは紙付の平角線や銅ダライを固めたものが主となる。
坂部社長は「常識的な防犯対策を施していたが、全く通用しなかった。今後、対策強化に取り組んでいきたい。また、同業各位には被害に遭わないように強く注意喚起するとともに、事件解決に向け、怪しい荷物や犯人と疑わしい人物の情報などがあれば、ご連絡を賜りたい」と語った。同社は公式フェイスブックなどでも注意喚起を行っている。